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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇



槇寿郎が静かに小野寺の顔を見つめる

「成し得るに…足りますでしょう。
スルタン様のお望みであらば…」

「お前の言葉通りに、この酒は
南の海の向こう側の国から来た酒だ。
ブドウ酒の製造と、羊毛の生産が
盛んな地域であるのは確かだ。
この国に、生まれ育ちその上に
草原の国の出身ならば、知り得る事も
出来ぬ事……、杏寿郎…お前の差し金か?」


槇寿郎が酒を注ごうとしていた
侍女の手から 酒の入った
ピッチャーを奪い取ると
そのまま自分のグラスに注いだ


ドボドボと勢い良く

グラスの中に 赤い血の様な

ブドウ酒が満ち満ちて行く

その様を 槇寿郎が静かに見つめていて


「いいえ。俺は何もしておりませんよ。
父上。単に、俺の持つ星と彼女の
小野寺の持つ星がお互いに引き合い
導き合っただけの事…だと、俺は
その様に、考えておりますが?」

「お前には、似合いかも知れんな。
その半分の星が…。なら見せて見ろ。
杏寿郎、お前の手でその出来損ないの星を
この国の空を照らすに相応しい星にまで。
お前の手で、輝かせてみろ。
それが、次のお前のすべき事だ」

槇寿郎の言葉に杏寿郎が深く
頭を垂れて下げた

「俺と小野寺の結婚をお認め
頂きまして、ありがとうございます。
必ずや、父上のご期待にお応え致します事。
この杏寿郎、お約束を致します」

「え?え?」

そのやり取りの意味が掴めずに
小野寺が杏寿郎と
槇寿郎の顔を交互に見つめた

「まぁ、王家の人間になるには
まだまだ、教育が必要だがな」

「それはそうにありましょう、父上。
彼女は今日まで、草原の国で
馬で駆けまわり、弓を引き。
羊の世話をしていたのですから。
王妃としての教養も、これからの事」

「なら、お前がその辺もしっかりと
躾けろ。いいな?それに音を上げる
様では、それ以前の問題だからな。
今夜は許す。いつも通りでいい」

不安そうな顔をして
小野寺が杏寿郎の顔を
窺う様にして見つめて来て
くすっと杏寿郎が笑うと

「小野寺、楽にして
食事を摂っていいと。父上は
仰っておいでだ。
いつも通りに振るまえばいい」

それから 小野寺が
テーブルの上の料理を一つ
口にする度に
その産地や運搬の経路や
厨房での料理の事も事細かに話しつつも

ふにゃっと顔を緩めた
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