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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇



「何となく…なんだけど。
杏寿郎さんは、
素晴らしい王様になると思います」

「君には、未来でも見えているのか?」

スッと小野寺が瞑目すると
薄っすらと目を開いた

「見ようと思えば。見えます」

「そうか。ならば…その必要はない」

「へ?」

「俺や俺のする事に関する事、
そうだな、例えば…戦の結末も
その目で先を見る必要はないと
俺は言っているんだ」

「杏寿郎さんは、未来を
お知りになりたいとお思いには
なられないのですか?未来を知れば
運命を捻じ曲げる事も可能になりますよ?」

杏寿郎が真っすぐに 先を見据えると

その視線の先に王宮が小さく見えて来て

「その必要はない!
俺は俺の意思で未来を選んで、
俺の手で未来を
切り開くつもりでいるからな。
ただ与えられた運命と未来を
享受するだけが生き方でもあるまい」

「うふふふっ、杏寿郎さんは
不思議な人ですね。だからきっと
祝福を受けておられる…のでしょうね。
貴方が選んだ未来に、杏寿郎さんが
愛されておいで……なのですね」

ギュッと小野寺が
自分の服の下で首から下げている
何かを握りしめていて

「それは…?君にとって
大切な物……なのか?」

小野寺が首から下げている
革紐を手繰り寄せると
鮮やかな緑に輝くガーネットが
服の下から姿を現して

「これは、父さんが私達にくれた
お守りの様な物です。
私達の一族には、自分の子供が
生まれたら親から子に
ガーネットを贈る習わしがあるのです。
もし…、この先に…その、
貴方との間に皇子を授かった時には。
その子にこれを…贈りたいと思っています」

「しかし、それは…。
君のお父上が君達にと用意した
大切なお守りの様なガーネットだろう?」

コツコツと馬をゆっくりと進めながら
小野寺が杏寿郎の方を見つめて来て

「今すぐに…ではありません。
その時を迎える事が出来た暁には。
…杏寿郎さんから
私に、ガーネットを贈って頂けませんか?」

「ああ。勿論。
俺から君に、その時には
深紅のガーネットを贈ろう…と
言いたい……所だが。
気が変わった。君にそこまで
言われて、何も返さない様では
男として形無しだからな」

そう言って 杏寿郎が
街中であるのに馬を急に走らせてしまって
その杏寿郎を追って
小野寺も馬の速度を上げた
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