第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇
みくりと義勇よりも
先に出ていた
小野寺と杏寿郎は
この国の王都へと差し掛かろうとしていた
最初は馬が 2頭は並んで進めない程の
狭い煉瓦の道だったのに
王都が近づくにつれて
その街道は 馬車がすれ違えるほどの幅の
整えられた物へとなっていて
随分と建物が多い都へと
周囲の景色も移り変わって居た
「煉獄さん。この辺りは、
随分と栄えているのですね。
こんなに沢山の人が居るのを
見たのは初めて」
「小野寺。そろそろ
俺の事を、下の名で呼んでくれても
いいんじゃないのか?俺達は、
もうすぐ晴れて夫婦になるんだからな!
いつまでも、
上の名で呼ぶのもおかしいだろう?」
下の名で呼んで欲しいと
そう杏寿郎が小野寺に言って来て
「えと…、杏寿郎…さんって
呼んだら…、いいの?」
「ああ。それでいい。
まだ驚くのは早いぞ?小野寺
ここはまだ、王都ではないからな。
王都はもっと、大きな建物が多いし、
人も店も、沢山だ」
杏寿郎のその言葉に
小野寺が目を丸くさせた
「そうなの?ここよりも
もっと大きい街なんだ…」
「ああ。もう少し先に行けば
街道からでも王宮が望める様になる。
でも、良かったのか?」
良かったのかと聞かれて
それは きっと草原での暮らしを捨てて
王都での ひいては後宮での暮らしを
選んで良かったのかと言う事だろう
「馬を走らせたり、弓を引ける場所を
取急いで用意させよう。王宮には
弓道場や、馬術場はあるが。
流石に後宮にはないからな。
君も、身体を動かせる方がいいだろう?」
「あの、お願いがあるのですが」
「何だ?」
「杏寿郎さんは…、領土拡大の
戦に出たりされますよね?」
「ああ。ついこの間まで3ヶ月ほど
遠征に行っていたが?それがどうした?」
「私を…、連れて行って頂きたいのです」
「人が死ぬんだぞ?それでもか?」
杏寿郎の問いかけに
小野寺が頷いた
「私のこの弓も、馬の腕も
貴方と貴方の国の為にお役立て
して頂きたいのです」
「…願っても無い申し出ではあるな。
確かに、君の腕があれば。
遠方から敵の将だけ射落とせるだろうしな。
血を流し過ぎない、
戦い方も出来るかも知れん。
なら、俺は…君の手を汚させるのに
相応しいだけの国を作ると誓おう。君に」