第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇
樽開きから始まった
盛大のお祝いの宴は
数時間にも及び
でも 皆楽しそうにしていて
草原では食べる事が出来ない
果物や新鮮な野菜
海で獲れる魚を
使った料理はどれもこれも
初めて食べる物ばかりだったけど
美味しかった
夕方になる頃にはお祝いの宴はお開きになり
日が落ちるのも迫っていたが
このまま 王都に帰るのだと
2人から聞かされて
用意されていた馬車に
纏めていた荷物を積み終える頃には
うちの家族だけになって居たから
「まぁ、そうは言ってもまた
婚礼の儀の時に、ご家族にも
ご出席頂きたいのだが」
そう杏寿郎が言って来て
「心配はいらん。こちらから
迎えを寄こすし。家畜が居るから
留守にするのも難しいだろうが。
王族の婚礼は丸1日の神事と、
その後の3日3晩の祭りになるからな」
そう義勇が補足説明をして来て
「神事には、血縁者と言えど
立ち入る事は出来んが。
祝宴には、ご参加して頂きたいと
俺も、冨岡も考えているからな!
婚礼の儀は、1週間後になる。
それまでに、その3日間で
何人ずつ参加するのか、決めて置いて
頂きたいのだが…」
「あの…、馬は…連れて行ってもいいの?」
小野寺が心配そうに杏寿郎に
尋ねて自分の馬を連れて行けるのかと
心配をしている様だった
「小野寺。君は自分の馬に
乗るだろう?俺も、君と一緒に
走れるのは、楽しみだ。
冨岡。悪いが、俺は先に小野寺と
遠掛けをしながら王都へ戻るからな」
もう一緒に馬で走る事しか
杏寿郎の頭には無い様で
「っと、その服は正装だろう?
小野寺、着替えるなら待つが?」
「いいえ。デールは遊牧民の
正装。遊牧民は馬と共に生きる民族。
デールは馬に乗る事が前提なので。
このまま、馬に乗れます」
「そうか、それを聞いて安心した。
冨岡。お前は、みくりと
ゆっくり、夕陽でも楽しみながら
戻るといい。競争しよう」
「じゃあ。先に行ってるから。
また、あっちでね」
そう小野寺がみくりに言って来て
外で待っている 家族のそえぞれに
先に挨拶をしに行ってしまって
ゲルの中に 義勇とみくりだけになる
「お前は馬には…乗れるのか?」
「いえ、すいません。遊牧民の
娘でありながら、お恥ずかしいのですが」