第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇
ゲルを出て
私は馬には乗れないから
一樹兄様に乗せて貰って
小野寺と父様と一緒に
悠斗兄様と翔兄様に言われた
見晴らしの丘へと向かった
見晴らしの丘のから望むことが出来る
王都のある方向から
アリの行列の様に見えるのは…
「…俺は、翔程目は良くねぇ。
歳は取りたかねぇが…、お前等
”目”使って見てみろ」
そうそのアリの行列の様に見えるそれを
金色の目を使って見てみろと
2人に父が促して来た
スッと小野寺がみくりの方へ
自分の手を伸ばして来て
うんとこちらに向かって頷いたので
みくりが小野寺の
手の平に自分の手の平を重ねる
手を重ねると
それぞれの金色の目が輝きを増して
見ている景色が望遠鏡を通した様に
見たいと思う部分が見える様になる
「で?何が見える?みくり」
そう一樹が教えて欲しいと
言いたげに言って来て
「えっと、荷車を…引いた
馬が…沢山…後、人も…沢山…あっ!」
「もう、小野寺ったら、
今日は、お二人も正装を
なさっておられるのね」
みくりが自分の金色の目で
見た 義勇の正装姿に
自分の頬が赤くなっているのを
隠す様にして自分の手で覆った
「なんでよ!みくりだって
さっきから、冨岡さんばっかり
見てるじゃないのよっ。
貴方が見てる映像は、反対の目に
焼きついて見えるんだからねっ!!」
そう小野寺が不満そうに言って来て
みくりが義勇を見ているのが
小野寺に分かる様に
みくりにも小野寺が
杏寿郎を見ているのが分かるので
「わっ、私達も正装、正装しなくちゃ」
「あの速度だと、お昼前には
家に来るだろうから」
「ああ、お前等」
一樹が2人の注意を引く様に
呼び掛けて来て
「菜々緒から、大事な話、聞いて置け。
お前等と家に恥にならない様にな。
あまり時間もないし、家に急ぐか」
そう言って ゲルへと
大急ぎで戻って
慌てて 朝食を食べると
菜々緒から…褥での作法の教えを受けて
デールと呼ばれる 正装に着替える
デールは遊牧民の民族衣装で
着込んでも 馬に乗りやすい様になっている
普段着もデールだが
正装のデールは生地や刺繍が豪華な物だ
それに合わせて キチンと髪を結い上げた