第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇
「あー、そう言う事ね。
だったら、理解した。でも…、
こっちだってやるからには、本気だけど?」
そう言って
フッと悠斗が笑みを浮かべて
挑発するように翔を見て来て
その悠斗を見て
フッと翔も口の端を曲げる
「はっ、言ってくれんじゃねェか、
悠斗。なら、決まりだァ!」
どっちの方が 速く
太陽の丘に朝日を迎えに行くのか
2人がゲルを出てから
少しして
菜々緒がベットから出ようとしたのを
その腕を掴んで一樹が引き留めた
「まだ、夜も明けてないのに
随分と早く起きるんだな。
菜々緒、まだ…ゆっくりしたい…んだが」
「ごめんなさい。一樹さん、
起こしてしまったかしら?
うん、ちょっとね。今日は早めに、
朝の支度を済ませて置きたくて」
薄い寝巻一枚だけを纏った姿の菜々緒が
降ろしていた髪を結い上げようとしてると
ジッと一樹がこちらに
視線を向けているのを感じて
菜々緒がその手を鈍らせる
「俺が見ていたら、集中できないか?
こうして、髪を降ろしている姿は
俺しか見れないからな、見たくもなる。
そんなに、慌ててる理由は、
片付けが残ってるからなのか?」
「それは、いいのだけども。
そのね、私…あの子達に、ちゃんと
あちらに行っても恥をかかなくていい
だけの教育をしてあげなくっちゃって。
昨日の夜に具体的な事を話すつもりに
していたのに出来なかったから」
眠たそうにしながらも
一樹も菜々緒が起きるならと
その身体をベットから起こして
「教育?花嫁修業の事か?
一般的な事ならこなせるだろう?」
「私が言ってるのは、夜のお作法の事よ?
そっちの教育は全くだったみたいだけど?
一樹さんといい、翔君も悠斗君も
その辺りは全然、
教えてないみたいだったじゃない?」
そう嫌味を込めた口調で菜々緒が言って来て
その事かと一樹が苦笑いをした
「ある程度の知識は、
必要かも知れないが…。案ずるより
産むがやすしとも言うだろう?
百聞は一見に如かずだと思うがなぁ」
「何も知らないのと、予備知識が
あるのとでは、女の立場としては
違う物だと思うんだけど?
兎に角、そう言う事だから、
私に、あの子達と話す時間頂戴しても
いいでしょう?一樹さん」
菜々緒の言葉を聞いて
一樹が内心 菜々緒との初夜に
不手際があったのではと
心配をしたのは言うまでもない話だった