第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇
ふと 身体のあちこちが居たくて
真夜中に目が醒めてしまった
むくりとみくりが
身体を起こした
悠斗の姿を探す
いない…か 悠斗兄様…
「うん、…みくり、
どうしたの?…おトイレ?」
隣で寝ていた小野寺が
そう眠たい目を擦りながら尋ねて来て
「ここで寝てたら、
身体が痛くなっちゃうから。
ベット、戻ろ?小野寺」
「ん、ここでいい…。すぅ、すぅ…」
そのまままた眠ってしまった
小野寺に薄い布団を掛けてあげて
自分は予備の毛布を引っ張り出して来て
いつもは二人で寝てるベットに
ゴロンと横になった
一人用のベットだから
一人で寝るのが正解なんだけど…
いつも ふたり一緒に寝てるから…
狭い 小さいベットが
凄く 広く感じる
でも 冨岡様と結婚して
後宮に入ったとしても
夜はその… つまりは 夜伽を…
当然 妃としてする訳…だから
今みたいにこうして
小野寺と一緒に寝れないのかと
そう思うと急に寂しくなってしまって
みくりがベットから降りると
毛布を持ったままで
部屋の中央の分厚い絨毯の上で
寝息を立てている小野寺の隣に
小さく丸まりながら身体を寄せて寝転んだ
そして…朝を迎えると
流石に羊2000匹は
面倒が見れないので
悠斗がずっと…幼少の頃から
当人同士の口約束で結婚を約束してる
咲夜さんの家に
羊を贈る 算段をしている様だった
咲夜さんのお父さんは
悠斗兄様が…ふんわりとした雰囲気で
頼りがいのない男だと言って
別の一族の男性と咲夜さんを
近い内に結婚させようと考えていて
相手の男性よりも多くの羊を
咲夜さんの家に贈ろうと考えているらしかった
悠斗兄様は
顔が死んだ母様に良く似ていて
穏やかで柔らかい物腰をしてるけど
剣の腕は一族でも髄逸なのになぁって
馬術だって 正月に一族で開催する
総レースで 上の方なのに…
そんな事は 一族なら知ってるけど…
咲夜さんの家は うちの一族とは
別の一族だから 余計に
悠斗兄様が気に入らないのかも…?
「羊…、こんな形で
用意するとか、思ってなかったけど」
そう言っている悠斗は
遊牧民の正装に身を包んでいて
正式な結婚の申し入れをしに行くと言っていた
上手く行くといいな…