第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇
そのかなり酔っている父親の様子を
2人の兄が呆れながらそれを見ていて
「悠斗。お前にも分かるさ。
お前だって、そろそろ結婚して
嫁さん貰え…」
「あー、ああ。じゃあ丁度
良かったんじゃない?羊2000匹も
二人が居なくなるんだったら、
面倒見れないじゃんって思ってたけど」
「あ、もしかして、悠斗兄様の
お嫁さんのお家に?結納代わりに
納める羊にするつもりなの?」
「悠斗ぉー!酒ぇー!お前の相手もぉ
ちゃんと、見繕ってある…ひっく」
「父さん、飲みすぎっ…、
まぁ、今日は仕方ないけど」
そう言いながら空になった器に
お代わりのアルヒを注いだ
「王都には、アルヒは無いが、
今度、娘さん達を改めて迎えに
上がる際には、極上のブドウ酒を持参しよう」
「……そうだな。樽で用意させよう」
幼い弟と妹はある程度のお手伝いは
出来る物の主に家の事や家畜の世話を
していたみくりと小野寺が
家を出て その代わりに羊が2000も
増えるのだから
悠斗が言う通りに悠斗の嫁になる人の
実家に幾らか納めた方が
きっと家も楽になるはずだ
「まぁ、翔が頑なに結婚に合意しなかった
理由が…まさか、あれだったとはなぁ」
「多分、知らなかったの父さん位じゃない?
私もみくりも、前々から知ってたし…」
そんなこんなをしている内に
外が騒がしいくなって
凄い数の羊の声が聞こえて来て
「ああ、頼んでいた羊2000匹が
無事に届いた様だな。お父上、
数を確認して頂きたいのだが…」
「ああ、もう父さんはダメだから
俺が、代わりに立ち会うよ」
そう言ってそのまま
知らぬ内に酔いつぶれて寝てしまっている
父親の代りにと一樹が立ち上がり
「じゃあ、僕はその証人って事で」
「ねぇねぇ、みくり姉ちゃん
俺達も見てもいい?2000なんて
羊見た事ないよ」
ゲルを出て その圧倒的な光景に
言葉をしばらく失ってしまった
「凄い…、父さんこんなに
羊…どうやって面倒見るのかしら?」
ジッと一樹がその羊達をパッと見て
それだけで大体の数を把握した様で
杏寿郎と義勇の方へ身体を向けると
「約束した数より、羊が多いが?」
「そんな事はないだろう?俺は
きっちり2000と指定して
用意させたはずだが?」
一樹の言葉に杏寿郎が顔をしかめた