第42章 スルタンコラボ企画 上編 お相手:冨岡義勇
「後宮は一般人は立ち入れないし、
内部に勤める者の身元も知れているからな。
ああ、そうだ。お約束の羊2000匹
もうすぐここに届くそうだぞ?」
そう杏寿郎が 独楽を紐に引っかけて
飛ばすと自分の手の平の上に置いた
「わぁ!すげぇ!」
「お兄ちゃん、独楽上手いんだな」
「ははははは、独楽なら
俺よりも、冨岡の方が得意だぞ?」
杏寿郎の言葉に弟と妹の視線が
義勇の方へ集まる
キラキラとした期待の眼差しを
向けられてふぅーっと
義勇がため息をついた
スッと義勇が立ち上がると
「一回だけだぞ」
そう言いながら
杏寿郎から独楽を受け取り
慣れた手つきで独楽に紐を巻き付けると
ヒュンと独楽が
義勇の手から離れたはずだったのに
空中で回転しながら義勇の方へと
独楽が戻って
トンと義勇の手の平に独楽が降りて来て
その手の上で独楽が回っていて
「これで満足か?」
そう義勇が静かに言って
「燕返しだな、見事だ。相変わらず、
お前は独楽を回すのが上手いな」
「暇だったから、してただけだ。
ただ回すのに飽きたんだ」
みくりはその義勇の言葉を聞いて
確かにこの人なら一日中ずーっと
独楽を回して 過ごせそうだと
そう その様子を見て思ってしまっていた
その時 ゲルの入り口の布が開いて
頭からすっぽりとローブを被った人物が
ゲルの中に入って来る
『アタシを呼んだのは、
このゲルであってるかい?』
声は女だ
それも若い女
歳は 20代前半から中ほどだろうか
スルッと女が 頭に被っていた
ローブを脱ぐと
思わず その下に隠されていた姿に
杏寿郎と義勇は目を奪われていた
翔が胡坐を搔いたままで
自分の膝に肘を付いて頬杖にすると
その女を上から下まで眺めて
はぁーーーっと深い 呆れた様な
ため息をついて
「オイ、オバン。お前いい歳なんだから、
服装、ババアらしくしろォ」
「まぁまぁ、翔兄。オババ様は
すっごく若く見えるから、いいじゃない。
今の服装だってとてもお似合いだしね」
そう翔の言葉に悠斗がフォローを入れると
はちきれんばかりの豊満な
肉体を惜しげもなく晒していて
ベリーダンサーを思わせる様な
露出の高い服装をした女は
その長い銀髪をかき上げ
紫と銀色の色味の異なる目を細めて笑った