第39章 今年のクリスマスは お相手:煉獄杏寿郎 ※裏なし 現パロ
「ん?何と言ったか?」
「杏寿郎らしいねって、
そう言ったんだよ。どうせ
今日の残業だって、そうなんでしょ?
大体、そんな感じの事でしょ?だって
杏寿郎だもん。想像つくよ」
それから彼女が用意してくれた
夕食をふたりで食べて
ケーキを今食べるかと
杏寿郎が問いかけて来て
「うーん、もうちょっと
お腹が落ち着いてから、かなぁ?」
「だったら、君に渡したい物が
あるんだが、いいだろうか?」
「え?でもプレゼントならもう
スパークリングワイン貰ったし、
これもそうなんじゃないの?」
「いや、それは
クリスマスプレゼントじゃなくて。
俺が、君に
渡したかったのはこっちだが?」
そう言って 杏寿郎が
これを君にと差し出して来たのが
赤いバラの花束で
「俺のこのバラの…プレゼントの
お返しを、君に所望したいんだが
どうだ?みくり」
バラのお返しと言われて……
ちゃんとしたプレゼントが
欲しいって意味だったのかなと
でも 私が用意したのは
バカラのグラスと
シャンパンと
前に杏寿郎が
一度着けている所が見たいと
そう言っていたから
今夜の為に買った 赤い下着ぐらいで
品物らしい物用意してなかったなと
そんな事をぼんやりと考えながら
杏寿郎がプレゼントしてくれた
赤いバラの花束を眺めていて
みくりが
1…2 3 4…と目測で
そのバラの本数を数えて
ハッとした表情になると
「ええ?杏寿郎……これ、
このバラってもしかして。ただの
クリスマスプレゼントじゃ…なくない?」
ごそっと杏寿郎が自分の
腰のポケットに手を入れると
「ああ、そうかも知れんな。
これと一緒じゃないと意味がないな」
小さな箱を取り出して
自分の手の平の上に置いて
その箱を開いて
みくりの方へ見せて来て
その箱の中身は
キラキラと輝く 指輪で
「君のこれからの人生を
俺にくれるだろうか?みくり」
今年のクリスマスは……
今までのクリスマスとは違っていて
今年のクリスマスは…
「杏寿郎、それ、
クリスマスプレゼント?」
「俺はそのつもりだが、嫌か?」
杏寿郎の問いかけに
みくりが首を横に振った