第39章 今年のクリスマスは お相手:煉獄杏寿郎 ※裏なし 現パロ
上手く行くといいよなと
そう言って来た木崎先輩の言葉に
思わず杏寿郎がふっと笑みを漏らした
「ホントにお前、いい奴だよな?
もう、まじそう思うわ俺。
お前の彼女さんは、幸せなんじゃね?」
幸せと 言われて
断言は俺には出来ないと思った
恐らく今 現在進行形で
俺は彼女のお怒りを買っている訳であるし
何も不満を言って来ないのが
俺は今 逆に怖くもある
「いや、どうでしょう?帰ったら
物凄い、怒られる……かも知れませんし」
スッと木崎先輩が
杏寿郎に封筒を差し出して来て
「あの、先輩これ…は?」
「お前にやる。今日の残業代。
いいから、取って置いてくれ。
ホントはさ、明日。
そのずっと仕事ばっかだったからさ
埋め合わせ…しようとさ。思ってたんだわ。
でも今更、キャンセル料だけ払うのも
あれだし、貰ってくれないか?
俺もその方が助かるし、
手続きの手間省けるからさ」
そう言って 木崎先輩が
杏寿郎に差し出して来た封筒には
市内の有名ホテルのカップル向けの
クリスマスプランの宿泊券で
「いや。流石にこれは
受け取れませんよ?先輩っ」
そう突き返そうとしたら
「俺が持ってても、紙きれだろ?
誰と行くんだよ。そんなとこ。
だから、お前はこれ持ってすぐ
家帰って。謝れ。彼女に。
じゃないと、俺みたいになるぞ?」
そう言って
木崎先輩が寂し気な笑みを浮かべた
仕事は確かにある程度まで
片は付いていたから
後はお言葉に甘える事にして
杏寿郎は会社を後にした
大通りを駅に向かって歩く
オフィス街を抜けて
駅前になれば
サンタの恰好をした店員が
それぞれの店に客引きをしていた
杏寿郎はあるお目当ての物を買う為に
ドン・キホーテの中に入った
正直商品が多すぎるから
ちょっと苦手なのだが……
物が並びすぎていて
通路を塞いでるから人とすれ違いにくい
でも ここなら
俺が欲しいとそう思って居る
物が両方買えるから
お目当ての物を購入して
ドン・キホーテを後にすると
そのまま 電車に乗るべく
駅に向かった
プレゼント自体は早くに用意してはいるが
後は駅のビルに入ってる花屋
あそこの花屋は深夜までやってる
それから……後は
買うと言っていたケーキ……
通りがかったある店から
不意に耳に入って来たのは
懐かしいクリスマスソング