第37章 スルタンコラボ企画 序章 お相手:冨岡義勇
夜空に無数の数えきれないほどの
星が輝いている様に
星の娘と呼ばれる金の瞳を持つ娘も
一度に空から流れ落ちるのは
ひとつだけとは限らないのだ
「だから、不安になる…
私達は、不完全の出来損ないの星だから。
ちゃんとした、
完全な星の方がいいんじゃないかって」
小野寺が悲しそうな顔をして
そう言うと その目が潤んでいるのがわかる
「でも、一緒でいいって
言ってくれるんだったら。
確かに不完全な星だけど、
私と、小野寺が、ふたりで居られるなら。
誰よりも、どの星よりも
太陽と月の元でなら輝けるって。
そう母様が言っていたじゃない」
太陽と月とその母の言葉を思い出して
2人がハッとする
太陽を思わせる煉獄さんと
月を思わせる冨岡さん
彼らと一緒だったら…
「不完全な私達でも、輝けるの?」
「きっと、そうよ。小野寺」
そう話し込んでいる間に
向こうの空が少しずつ白んで
二つ星の降る夜の終わりを告げていた
夜が明ける
そして 朝が来る
その朝が文字通りに目覚めの朝となる事を
今までの世界が一変する
そんな朝になると
「何か、急に眠たくなっちゃった…」
そう言って目を擦りながら
みくりがウトウトとし始めて
それにつられる様にして
小野寺も布団に潜り込んだ
眠りの国に落ちたばかりの2人は
まだ 知る由も無かった
月に寄り添いし星
ーー 序章 ーー
”二つ星の降る夜の……”
ー終ー