第37章 スルタンコラボ企画 序章 お相手:冨岡義勇
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「って事が。家に戻る前にあったんだけど。
不思議ね、冨岡さんと煉獄さんって
兄弟だって言ってたけど、苗字も違うし。
顔だって全然違うし。それに…
まるで鏡に映したみたいに正反対…」
「ねぇ。小野寺。煉獄様からの
求婚って、受けちゃったの?」
耳を澄ませると
向こう側の部屋から話し声が聞こえる
会話の内容は聞き取れない
「でも、目を通して私。
煉獄さんの事見てみたの。
煉獄さんは嘘はついてなかったし
それに、天からの祝福が沢山降ってた。
それに、私の目を悪用しないって」
みくりが 小野寺の手を取って
その顔を覗き込んで来た
「じゃあ、煉獄様も冨岡様も
私達の目の事知ってるの?だったら
父様も兄様も心配しない…かな?
不安なの。父様や兄様が二人の事を
追い払っちゃうんじゃないかって」
そう心配そうにしてみくりが言って
ふふふと小野寺が笑った
よしよしとまるで下の弟や妹にするみたいに
小野寺がみくりの頭を撫でて来て
「大丈夫よ。みくり。父さんだって
兄さんだって、ちゃんと分かってくれるよ。
追い返すんだったら、もう追い返してるって」
そう言うと小野寺がにっこりと笑った
今までに 家に私達を
妻に迎えたいと言って来た人が
居なかった訳じゃなかったんだって
一樹兄様のお嫁さんの
菜々緒姉様が言ってた
でも父様と兄様達が追い返しちゃったんだって
「ホラ、みくり、寝たふり」
そう小野寺が言って来て
布団に押し込まれると
頭からすっぽりと布団を被る
部屋を区切っているカーテンが開いて
父親がこちらの部屋の様子を見に来たのを
2人は気配で感じ取っていた
「みくり。もう、父さん行ったみたい」
布団からみくりが顔を出して
ぷはっと息を吐き出した
「怒られちゃうかと思った」
私と 小野寺は双子だから
本当だったらひとりだったのが
ふたつに分かれちゃったんだって
母様が言っていた
だから 金色の目も分かれちゃったんだって
だから ずっと一緒に居て
ふたりで居なくちゃいけないんだって
私達は 言わば
不良品なのだ…
二つ星…は元々は一つだったのだから
出来損ないの星なのだ