第37章 スルタンコラボ企画 序章 お相手:冨岡義勇
「煉獄、お前が
どうしてここに居るんだ?」
「俺達は、兄弟なのに水臭いぞ?冨岡」
その義勇と杏寿郎のやり取りに
みくりが反応して
正反対の印象を受ける二人を
交互に見つめる
ポン ポンと父が
みくりと小野寺のそれぞれの
頭に自分の手を置いて
義勇と杏寿郎の方へと
2人の身体を向けさせた
小野寺の右目と
みくりの左目は
月の光を受けてキラキラと
金色をより輝かせていて
「王都から出向いて貰っといてなんだが、
俺の娘達は確かに、
金色の目をしちゃあいるが。
それぞれの娘に相応しい、婿の元に
嫁がせようと思ってるんだ」
「具体的に、その
彼女達の婿の条件とは何だろうか?
お父上。そこをお聞かせ願いたいが?」
「俺の娘達は
安くねぇぞ?羊1000匹だ」
そう言って父親が指を立てて
ふっふっふっと笑った
杏寿郎が義勇の方を見て
「だそうだぞ?冨岡。俺は
その話でいいと思うがどうだ?」
「そうだな、交渉成立だ」
2人が顔を見合わせてうんと頷くと
「なら、お父上、娘さん達を
俺達が妻として娶りたい。
明日の昼までに羊しめて2000頭。
こちらにお送りさせて頂こう。
それでいいだろうか?」
「羊2000って、そんな…数
明日の昼までに用意できるの?」
そう疑問を漏らしたのは
3番目の兄の悠斗だった
「どういう事だァ。こいつ等を娶んのは
スルタンじゃねぇのかよ」
そう不満を漏らしたのは
2番目の兄の翔だった
「スルタンは、俺と冨岡の父だが?」
「スルタンは生前退位をお考えに
あられる。それで、俺達の
どちらがスルタンを王位を継ぐかの
試練として、この地に金色の瞳の娘を
探し出せと。仰せになられた。」
杏寿郎の言葉を
義勇が補足して説明をすると
「金色の瞳の娘が見初めた方を、
王位に据えるとのお考えにあられる」
じっと父がみくりと小野寺の
顔を見つめて来て ふぅーっと
ため息をつくと
「聞くまでにもねぇなぁ。こうも
あっけなく、心が決まっちまってるもんな」
「父さんも父さんだ、羊2000匹で
みくりと小野寺を嫁になんて」
そう長男の一樹が不満を漏らして来て
「何言ってんの。一樹兄。
王様のお嫁さんだよ?安泰じゃない?
それが本当ならの話だけどね」