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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第37章 スルタンコラボ企画 序章 お相手:冨岡義勇



「お前の、その目…本物か?」

本物と言うのは 何がだろう?

言われている意味が分からず
みくりが首を傾げる

「本物…と仰いますのは…あ、
えっと、そう言えばお名前を
存じておりませんでした。私は
みくりと言います。
貴方様は、月の使いの方ですか?」

月の使いかとみくりに
尋ねられて義勇がその整った
端正な顔を歪ませる

「いや。
俺は月の使いではない…
俺は、この草原の地に、
スルタンの命令で
お前を探しに来た者だ」

キョトンと大きな目を更に
みくりが大きくさせていて

「あまりにも、浮世離れた
美しさにありましたので、
てっきり私は、月の
使いの方かと思っておりました」

「美しい…だと?俺の容姿が?」

俺の容姿は…母親譲りだ

父親であるスルタンの面影など

何一つ持たない

この目の色も 髪の色も

この顔の目鼻立ち…ですらも

俺は今まで…疎ましくて仕方なかった

自分の顔が…嫌いだった

いつも部屋の隅で蹲って

俺に謝りながら泣くしか出来ない

俺の母親を思い出すからだ

「あの、スルタンのお使い様の
お名前をお伺いしても?
私にそれは、叶いますでしょうか?」

「冨岡…義勇」

「とみおか…、ぎゆう様…に
あられるのですね。お美しいお方は
そのお名前まで、お美しくあられますね」

そう言って
にこっとみくりが笑顔を浮かべた

王宮で俺にへつらう
上辺だけの笑顔と
その笑顔はまるで違っていて

その言葉に偽りはないのだと

そう俺に伝えていた

煉獄の名を名乗るには
俺の容姿はあまりにも相応しくなくて

母の冨岡の姓を名乗っていた

この苗字ですらも…俺を縛る

俺に 知らしめるのだ

お前は 要らない子なのだと……

俺自身すらも疎ましく思う

その名すらも

この目の前の
左に金色の瞳の娘は

美しいと言うのか

「美しい…と言うのは、お前の
その目の様な物を言うんだ。
俺は美しくなど、…ない」

金色の目…を

目の前のこの人は

美しいと言ってくれて

自分でも嫌だったのに
家族の誰とも違う色だったから

小野寺と私だけ 片側が金色で


「この金の目が…、美しい?」


「ああ、夜空に燦然(さんぜん)と
輝く1等星の様だ…」



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