第37章 スルタンコラボ企画 序章 お相手:冨岡義勇
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自分の手と剣が一体になる感覚
剣の切っ先までが まるで
自分の指の一本になるかの様な感覚を
義勇は感じていた
自分に向かって来る 3匹の狼の動きが
物凄くゆっくりに まるでコマ送りの様に
ゆっくりと動いてる様に見える
遅い…な…
あくびが出そうな位だ
「肆ノ型 打ち潮」
馬上で動きは制限されるが
留まる事のない川の流れの様に
途切れる事のない剣撃の流れで
その頸を次々に薙いで行く
ドサッ ドサッドサッと
その身体が地に落ちて
ゴロゴロと首が転がる
ヒュンと剣についた血を払うと
義勇が鞘に納めた
その時だった
風に乗って血の匂いがした
人の血の匂いではないが
いや 気になったのは
匂いの方じゃない
その風と共に流れて来たのは
"気配"だ それも何だ?この気配は
人…なのか? その気配は
重圧にも似てる 気圧されそうな気配だった
離れていても分かる 異質な気配がする
その気配の正体を確かめたくなった
人…ならざる者…
この世界には 鬼と呼ばれる物が居るが
その鬼 と言う存在とも
圧倒的に異なる 別の物の気配
その気配と共に風が運んで来たのは
新しい血の匂いだった
ゴゴゴゴゴ
地響きにも似た轟音が上空から聞こえて
義勇が空を仰いだ
この眩いばかりの光は
アレが放ってるのか?
太陽かの様に見えた
それは星と呼ぶにはあまりにも大きくて
そして あまりにも巨大で
あまりにも 明るかったから
その巨大な星がこちらに迫っている
それだけで脅威であったのに
その星が更にこちらへ降るのが見えて
落ちて来る…とそう思った時だった
その星が 二つに割れて
そのそれぞれが
西の空と東の空へと向かって飛んで行くのが見えた
その西の方角へと落ちる星を追う様にして
義勇が馬を走らせた
何となく…ではあるが
この 星の落ちる先に…俺の探している物が
ある様なそんな気がしたからだ
昔
子供の頃に 書庫にあった伝承の本で見た事がある
迷信だと思って居たが
草原の地に巨大な星が落ちる時
その巨大な星が二つに分かれるのを
”二つ星”と呼ぶのだと
そしてその星の流れるる所には…