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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第36章 聞こえない音  お相手:宇髄天元



「いけませんっ、音柱様。
そのお体でウロウロされては、
それこそ死んでしまいます」

そう言って 同じ顔の3人娘の
おさげ頭の奴が俺の身体に
縋り付いて来て
それに続く様に後の2人も
俺の腰に纏わりついて来る

「邪魔すんなっつってんだろーがよ!
邪魔だ、邪魔っ、俺は帰るつってんだよ!」

「ダメです!今はご安静にっ」

「そうですっ、安静にして下さいッ」

「子供みたいに、聞き分けの
無い様な事を、仰らないで下さい」

2人の言葉に続く様に
アオイがそう宇髄に言って来て

「頼む。ちゃんと戻るから…
一刻だけでいい、行きたい所があるんだよ」

「もう、何事ですか?
騒がしいですよ?アオイ。
ああ、誰かと思えば宇髄さんじゃ
ありませんか。そんなに慌てて、
どちらにお急ぎですか?…と
言いたい所ですが。アオイ、
宇髄さんの好きにさせてあげて下さい」

「え?しかし…、しのぶ様
いいのですか?今、音柱様は」

しのぶが宇髄の好きにさせろと
言って来た事にアオイは驚きを
隠す事が出来なくて問い返した

「どうぞ。宇髄さん、
私は今は何も見てませんし、
何も聞いておりませんから。今の内に」

そう言って 廊下をしのぶが
宇髄が通りやすい様にして空けると

スッと自分の瞼を閉じた

「わりぃ。胡蝶」

「聞こえてませんから」

礼も不要だと言いたげに
しのぶが宇髄の言葉に返して来て

ふらつく身体で蝶屋敷を後にした

屋敷を出て みくりの家を目指した

蝶屋敷からは結構な距離がある

急ぎたい…が 走れそうにもねぇ


タクシーを拾って乗り込むと
そのシートに崩れそうになりながら
自分の身体を預けると
運転手に目的地を伝えて

回復の呼吸に意識を集中させる

「お客さん、そこまでコレで
行くのは構いやしませんが、
払う物は、あるんですかい?」

タクシーは高価な乗り物だからか
俺もこんな格好の所為か
随分と宇髄天元様も足元を見られてモノだ

ズボッとポケットに宇髄が手を入れると
ぐしゃぐしゃになっている
紙幣を丸めてボールの様になったような物を

ポンと運転手へと放り投げた

「これで、文句ねぇだろ?」

「これは、多すぎですぜ?旦那」

「気にすんな、迷惑料込みだ」


「まいどあり」


宇髄を乗せたタクシーは走りだした



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