第9章 酒に呑まれる夜 お相手:不死川実弥
そのまま 不死川に抱き上げられて
布団まで運ばれる
普通 こんな事は
恋人にしか…しないよね?
布団の上にそっと降ろされて
降ろされてもみくりが首に回した手を
外そうとしないので
不死川がもういいぞと言いたげに
トントンとみくりの腕を叩いた
外すように促した腕で
放すどころが 逆にギュッと縋りつかれて
胸の辺りが締め付けられるような
感覚を覚えてしまった
ああ くそっ
俺は……今夜も
その行動に 勘違いしてしまって
どうしようもねぇような
この微妙な感情を抱いて
コイツを抱く
好きなのか それが恋愛感情なのかとか
そんな事ったぁ
もう どうでもいいのかよ?
お前はそれをどう思ってるのかと
聞きたいと思いつつも
聞けないままで……
只 目の前にいる お前を
酒に呑まれて
冷めない熱に浮かされて
その熱の名前を知らないままで
曖昧にしたままにして
抱く事しか できねぇ……
「みくり……」
苦しそうに顔を歪めて名前を呼ばれて
じっとその瞳で真っすぐに見つめられて
そっと重ねられる その唇は
今夜もとても 優しくて
ああ 勘違いしてしまいそう……
何度も唇を重ねて
その合間に名前を呼ばれる
そんな風に そんな顔して
そんな 顔をして 何度も呼ばれたら
私は… 実弥の事が……
言った所で 情事の戯言にしか
ならないのならば……
今は この酔いの所為にして
酒に呑まれた 女になって
彼に 抱かれてしまいたい……
そっとみくりの手が
不死川の逞しくそそり立つ
その部分に添わされて
「実弥……」
「みくり、欲しいかァ?俺が……」
スリスリとその部分をみくりが撫でる
その触り方も いやらしいと言うよりは
優しくて……俺は余計に
勘違いを募らせていく
「なら、力……抜いとけぇ」
もう十分に潤って
愛液が零れて垂れている
みくりの入り口を
硬くなったソレで擦ると
グチュグチュと水音が響いて
「ん、はぁん、……実弥……」
急かすようにして名前を呼ばれて
「せっかちだなぁ、お前はよ」
とちょっと呆れたように言われて
目の前のみくりの顔が曇ったので