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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第36章 聞こえない音  お相手:宇髄天元



美咲の言葉を聞いて
輝義はははははと笑い出してしまった

「いつ死ぬか分からない身…か、
いつ死ぬかも分からない者同士が
生きている事を、生を謳歌する…か。
それは、素晴らしい事じゃないか。
大いに結構だと、僕は思うよ。美咲」

「はぁ。ご主人様のお考えは
大凡に、美咲には想像の範疇を
ゆうにお超えになっておられます故に。
少々理解に苦しみますが…。
ご主人様がそうであったからこそ、
今の美咲はここの在るのだと思っております」

カチャとソーサーとカップを
テーブルの上に置いてふぅーっと
輝義はため息をついた

「いつ死ぬか分からぬ身…、
だったから君には分かると言う事かな?美咲」

「私の命は生まれながらにして、
私の物ではありませんでしたので。
しかし、ご主人様が私の主と
なり変わられました故。美咲の命は、
ご主人様の物にあります…、
お望みのままに」

そう言って美咲は
深々と輝義に頭を下げた

「美咲、君は今まで良くやってくれた。
あの子の、みくりの母親の代り、
姉の代り、友人の代り…。
今まで、みくりを支えてくれて
礼を言うよ。感謝することばかりだ」

「よろしいのですか?」

「好きにさせてやりなさい、
それに恋と言うのは、邪魔が
入れば入る程に燃え上がる物だからね。
なら、僕は物言わぬ傍観者でいるよ」

そう言って輝義が苦笑いをする


仕事から帰って来たのか
宇髄さんはいつもの時間に
フラッと現れた

「よ。今日も邪魔するわ」

あまりにも普通だったから

あの口付けも夢だったのかと
そうみくりが思って居ると

「あの後、熱…出たか?」

「いえ、微熱が一晩だけ
…出ただけですけど」

「今日は、弾かねぇの?ピアノ」

そう言っていつもの窓際の壁に
宇髄がもたれ掛って瞼を閉じた

まるで その仕草は

私のピアノに意識を集中させている様で

「弾きますよーだ。
弾けばいいんでしょ?弾けば」

「だって俺、お前のピアノ好きだもん。
心地いいんだよ、お前の音がさ…
こう、耳をくすぐる感じ。その音が
ここに落ちて来る感じとかさ、好きな訳よ」

そう言って親指でトントンと
宇髄が自分の心臓を叩いた

やっぱり ズルいなぁって

そう思っちゃう

私のピアノが好きだなんて言われちゃったら


勘違いしちゃうもん…


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