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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第36章 聞こえない音  お相手:宇髄天元



顔が近い

その端正な整った顔がすぐ

自分の目の前にあって…

鼻先が掠めそうな距離に

思わず 椅子の上に座ったままの身体を
後ろに下げようとして

「あ、あの…宇髄…さん、お顔が…」

「あ?俺の顔が、何?男前だって?」

「いえ、それは間違いではないと
思うのですが、自分で仰るのはどうかと…」

「お前は、口が素直な奴な。ま、
俺程の男になりゃ、なんの問題もねぇけどな。
悪か、ねぇよ。お前の顔も…悪かねぇ」

ムッとその言葉にみくりが
言葉ではないが口を尖らせていて

「ひでぇ、面。…可愛いな、そういうの」

酷いと言われて

その後に可愛いと言われて

どう反応をしたらいいのかと
みくりが混乱していると

スルスルと大きな手が指先が
みくりの頬を撫でて

フェイスラインを外側から内側へと

その長い指が撫でて行って

つぃと顎の下の辺りでその動きを止めると

「みくり。どうしてたらいいのか、
わかんねぇの?…違った?」

この人が私に何をしようとしてるのか

何となく分かってはいるが

こちらとしては それをどうしたらいいのかが

分からずに居て

「でも…、そうしたら…」

「ああ、また熱が出ちまうか?」

そう問いかけながらも
その彼の指先が

みくりの唇の感触を楽しむようにして

ぷにぷにとつついては圧を掛けつつも
唇の全体を撫で上げて行く

「はぁ…、んッ…」

不思議な事に自然と息が上がってしまって

熱を帯びた吐息が半開きになっていた

自分の唇の隙間から漏れて

「だったら…、こっちにしとくわ」

そう言って スルリと手が顔から離れると

顔に掛っていた髪をすくい上げて

こめかみに口付けをひとつ

落とされてしまって

「色気ねぇのかと、思ってりゃ
んな、声も出せんのな。お前」

そう自分の耳元で
囁く様にそう言われてしまって

「ちっ、違いますから。あれは…
たまたま…出てしまっただけでっ」

「んー?そんな事言っちゃうんだ。
気のせいって事にしたい感じ?
あー、でも俺聞いちゃったからなぁ~。声」

「忘れてッ、今すぐっ!
その記憶を消してしまって下さい、永遠に!」

「どうしよっかなぁ~」

そう勿体ぶって宇髄が言って
みくりの顔を見てニッと笑うと

「ああ、良い事思いついたわ…」

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