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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第36章 聞こえない音  お相手:宇髄天元


この曲は…これから

百年また経ったとしても

その先の未来にもあり続けるのだ

その未来でも 誰かがきっと

この曲を弾いていて…

けど…ッ 私が今…この曲を弾くのは

どうして…なんだろう……

私が…ピアノを始めたのは…3歳の頃

私の…今まではずっと
ピアノと過ごして来た……

このピアノとずっと……

記憶に残ってる思い出も…全て

ピアノの関する事ばかり

思えば……人生の大半の時間を

こうして…過ごしていたんじゃないかって

そんな気すらする

美咲が今朝届いたと言う…学生時代の

まだ学校に通えていた頃の
同級生から手紙が届いた

次の春に結婚する…そうだ

その時に 私に結婚式に来て欲しいと
その手紙には綴られていた

「行けない…よ。
マキノ、行ける訳…ッないよ…、
だって、私は…ッ。来年の春……には」

悔やまない…訳じゃない

どうして 何も悪い事をしてないのに

自分だけが… こんな目に合うのかと

どうして 自分には…

誰かに惹かれて

恋に落ちて……

その人と 結ばれて


結婚をして 子供を産んで

その子供を育てて

そして しわくちゃのおばあちゃんになって

旦那さんと縁側で

お茶を飲みながら

『いい人生でしたね』と言いながら

笑い合えるような そんな人生の終わりが


来る事なんてなくて

きっとこのまま…誰かを

好きになったりする事もなく…

ここで 閉じこもったまま

外の世界も知らずに…


死んでいくだけだと…


その時を 待つだけなのだと


そう 諦めて…いた


それが 自分の 人生なのだと

そう 高を括っていたのだ


その時までは


ガラッと窓が開く音がして

今日は風が強いから
美咲が窓は開けませんと

そう言っていたのに


窓が 勝手に開いて

ビュウ……と風が舞い込んで来て

バサバサとカーテンが揺れて


部屋の中に 黄色と赤の何かが

その風と共に舞い込んで来る


ひらっと目の前を黄色い物が舞って

それから みくりの目の前に落ちて来る

すっとみくりがそれに手を伸ばして

黄色い葉を手に取ると

それが 黄色く色付いた

イチョウの葉だと言う事に気が付いた


この近くにイチョウの木は無いのだ


「イチョウの葉っぱ…、一体どこから?」


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