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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第35章 絶対君主の言いなり お相手:煉獄杏寿郎 R-15


日中でも薄暗い

湿り気のある空気が
石造りの地下牢に満ちていた

湿気とカビの匂いが混じっている

その中に……微かに血の匂いがする

牢屋の壁に鎖で繋がれているのは

水の日の禊の時にスルタンを
暗殺しようとしていた三人の刺客と

行方知れずになった……

第10王妃の侍女に毒を盛った疑いの

自称毒見役の女……だ

牢の中にはそれぞれの手に
拷問に使う器具を持った男達が居て

俺の存在に気付いたのか
こっちへ向かって敬礼をした

「お疲れ様にあります」

「お疲れ様にあります。
あの…こちらには、どの様なご用件で?」

ふぅーーーっと俺は深いため息をついて
その2人の兵士に声を掛けた

「で?そいつらは…吐いたのか?
まだ、口を割ってない…では。
俺は認めんぞ?お前等は今まで
何をしていたんだ?無駄な時間を
掛け過ぎるな……、。要領と言うのを
学べ。それも、今すぐにだ…、出ろ。
後は……俺がやる。拷問は得意だからな」

ギロッとその牢の中の2人を睨むと
俺の顔を見て震えあがっているのが分かる

「聞こえなかったのか?出ろと
俺は言ったんだが?…早くしろ。
イライラさせるな、俺だって暇じゃない」

「ひぃいいいっ、申し訳ありませんっ
後はお願い致します、こちらが
この牢のカギにあります。伊黒様」

「すいませんっ、
すいません。お許しをぉぉお」

バタバタと大きな足音をさせながら
2人の兵士は地下牢を去って行った

伊黒は目を細めながら
自分の服の袖で鼻を覆うと
舐める様な視線をその毒見役の
女へと向けた

ジッと蛇が獲物であるカエルを

睨みつける様にして……

「お前……特に嫌な臭いがするな。
ヘドロと、生ごみを混ぜた様な……
そんな臭いだ…。臭い」

伊黒の首に首飾りに擬態して
巻きついて居た白い蛇が

それまで微動だにしていなかったのに

その頭を持ち上げて
チロチロと舌を口から覗かせる

その白い蛇の喉元を
伊黒が人差し指の腹で撫でる

「鏑丸……、お前もそう思うか?
俺もそう思って居た所だ。
あまりの臭さに、……鼻が腐る。
お前だ。お前に言ってる。
聞こえてるんだろう?居る…んだろう?」

牢に繋がれている
毒見役の女の後頭部を掴んで
その頭を乱暴に上げさせると

自分のポケットから
小さな瓶を取り出して

ニヤリと伊黒は笑みを浮かべた






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