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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第35章 絶対君主の言いなり お相手:煉獄杏寿郎 R-15



スッと橘が椅子から立ち上がると
絵本等の子供向けの本が
収められている棚の前へと移動する

その中から一冊の本を取り出して
戻って来るとみくりに
一冊の絵本を手渡して来る

「橘さん…、これ……」

この国の者ならば
幼い頃に何度も母親から聞かされたような
そんな小さな物語を集めた絵本だった

絵本ではあるが分厚いそれは

文字は少ないとは言えど
読み応えがありそうだ

「その絵本は、この国が建国される前から
様々な地方で、子供の寝かしつけに
語られていた物語を集めた絵本です。
私の記憶が確かであるなら…、
その絵本に金色の瞳の女性が出て来る話が
あった様に記憶をしていますよ」

待っていて下さいと
橘が言ってまた今度は別の棚の方へと
歩いて行ってしまったので

パラパラとその絵本を開いて
中の挿絵を見ていると

砂漠を行く ラクダに乗った

一人の人物が描かれいる
挿絵が入ったページが開かれた

頭から布をすっぽりと被っているので
男性なのか女性なのか
年齢すらもその絵からは分からないが

そのページを開いた瞬間に

私は書庫に居たのに

私は草原の国の出身だから

小さな砂漠しか知らないのに


どこまでも…途切れることなく

続く……砂漠の景色が一瞬見えたような

そんな気がして……

そのページを開いたままでいると

ひょいと橘が覗き込んで来て

「ああ。一握の砂の……物語ですね?
とある青年が、大層美しい女性に
恋をするのですが…彼女は大層
美しかったので……」

橘がその物語の説明をしてくれた

一度に数人の男性から
求婚をされていたので

それぞれに無理難題を提案して

ドラゴンの卵を取ってこいだとか

断崖絶壁に夜にしか咲かない
花を摘んで来てほしいとか

無理難題過ぎて 他の男性達は

気を悪くして帰ってしまったが

彼だけがそれを探しに
砂漠に向かったまま

100日経っても彼は戻ってこなかった

人々は彼は死んだのだと
そう噂する様になった頃に

砂漠から来た一人の商人が
砂漠の中で何かを探している

その青年らしき男性を見たと……言った

「あの、橘さん……彼は
砂漠で何を探していたんですか?」

「彼女が彼に出した課題…ですか?
それは…、砂漠の砂の中で、一番
美しいと思う一粒の砂……ですよ」






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