第35章 絶対君主の言いなり お相手:煉獄杏寿郎 R-15
距離が近い……
お互いの鼻と鼻が掠めそうな程に
それに胸……当たってるし
おまけに 凄いこの人から
いい匂いがする……
「貴方は、そう思いませんか?
金目のお嬢さん……」
ゴクリと思わずみくりが
固唾を飲んでしまっていて
「そ、そう…、思います」
とその雰囲気に答えてしまっていた
「貴方は…知りたいと思いますか?
どうして、金環の王が生まれた後に
金色の目をした女性が生まれるのかに
ついて、知りたいと…思います?
そう、何故…自分が…金色の目を
しているかについて……、
知りたくはありませんか?」
知りたいと
教えて欲しいと
つい 言ってしまいそうになって
こちらへ近づいて来る
気配を感じ取って
すっとその女性との距離を取った
こちらに向かって来たのは
後宮の医師の犬飼だった
「ああ。胡蝶さん、
こちらでしたか。入れ違いに
なったかと、心配しておりまして」
「すいません。私とした事が…
いつもなら姉が一緒ですので。
迷う事はないのですが……、
迷子になってしまっていた様です」
ペロッと舌を少しだけ
覗かせながらそう胡蝶と
呼ばれた女性が言って
こちらから見ていても分かるが
宦官である犬飼もその
胡蝶の可愛らしさに
メロメロにされてしまっている様だった
「金目のお嬢さん。もっと貴方と
お話をしたい所でしたが。お迎えが
来てしまいました。
…またお会いしましょうね。近い内に。
ああ、そうだ…、良い忘れてる所でした。
くれぐれも、太陽に近づきすぎては……
なりませんよ?…特に今は……ですが」
ではとそのまま
犬飼と共にその場から去ってしまい
一人その場に残されてしまった
ハッとして本来の目的地である
書庫に向けてみくりは歩き始めた
廊下を並んで歩きながら
隣を歩いてる胡蝶に犬飼が声を掛けた
「胡蝶さん、お聞きしてもいいでしょうか?」
「はい、何でしょうか?犬飼さん」
「どうして、あの様な嘘を…?」
お互いの視線がぶつかり合って
それから絡み合う
ふふふと胡蝶が声を漏らして笑うと
「どうしてか……ですか?
それは、犬飼さんにもお分かりの筈です。
過ぎたる陽の気は身体には毒です。
まして……あのお嬢さんはまだ未熟ですから」
「未熟……ですか?」
「少なくても、
金環の王には…の話です」