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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第35章 絶対君主の言いなり お相手:煉獄杏寿郎 R-15


必要な物があるなら
どれでも好きな物を
持って行くといいと

そう言われて
杏寿郎が耳飾りを

こちらに投げて寄こして来て

みくりが慌てて
それを受け止めた

赤い宝石が埋め込まれた

耳飾りだ 赤は王家の色

そして王家の紋章と共に
あしらわれているのは

太陽の石とも呼ばれる

真っ赤なヘリオライトだ

ヘリオライトは産地によって
石の色味が違う……

こんな赤味を帯びたヘリオライトは

遠い海を渡った国でしか
採掘が出来ない物だ


ざっと…武器倉庫の中を見渡しても
これと言うのが目につかず

「ああ。でも…六尺棒は
箒にでも、擬態させて部屋に置こうかな?」

樽の中に差してある
長物の武器の中から
お目当ての六尺棒を引き抜くと

みくりは武器倉庫を後にした

自分の手の中には
杏寿郎の耳飾りがある

これから公務だと言うのに…
スルタンともあろう者が
耳飾りが片方ないままで

公務に…出るのはどうなんだろ?

それも公務の前に上王様に
謁見するって…言ってた様な?

ぐううっ と腹が鳴ってしまって

朝食がまだったと
言う事をみくりが思い出した

庵に戻ると
朝食の用意が整えてあって

白薔薇姫を始めとする
3姫に褥の手ほどきを受けるまでは

まだ時間があったので

橘が司書をしている
書庫へと向かった

書庫へ向かう廊下を歩いていると

あちら側から一人
若い女性が歩いて来るのが見えて

その背中には大きな木箱を背負っていたので

後宮に薬を卸しに来ている
行商の薬師か何かなのだろう

その小柄な髪に大きな蝶の
髪飾りを付けた女性が

すれ違いざまに

ぺこりと 頭を下げて来て

それにつられる様にして
みくりもぺこりと頭を下げた

一瞬だけ…その女性の顔を見たが

後宮の妃に美女多かれども

その後宮の妃達になんら
遜色のない様な そんな綺麗な顔をした

女性だった


「もし……そこの貴方。
道をお尋ねしたいのですが…」

「あ、はい……。どちらへ…
お向かいになられますでしょうか?」

その女性から声を掛けられて
みくりがそう答えた

「医務室はどちらでしょうか?
いつもは姉がこちらに薬を卸しに
来てるのですが。今日は姉の代役でして…。
どうにも、先ほどから
迷ってしまって居る様で……うっかりです」


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