第35章 絶対君主の言いなり お相手:煉獄杏寿郎 R-15
白薔薇姫とは違う意味で
どっちもいける口と言うのは……
と杏寿郎の意味深すぎる言葉の意味を
考えてしまわなくもないが
「君は……囲碁はやたらに強いが。
将棋はどうだ?
……後、チェスは出来るか?」
「ああ、古代インドの…チャトランガが
起源とも言われておりますが。
出来ないことはないですが…、
囲碁程は……ですよ?
ルールが一応、分かる駒の動かし方が
分かる程度にありますが?」
「白菊は…、チェスの天才だ…
将棋も…だがな。名人…並みの腕だぞ?
指せるのなら、指してみるといい」
そう言って嬉しそうな笑みを
杏寿郎が浮かべていたので
きっと白菊姫はまだ幼いから
夜伽と称しては将棋とチェスに
興じて居そうな気がする
「白菊。みくりは乗馬もかなりの
腕前だが、囲碁は敵なしだぞ?
ああ、そうだ白菊がみくりから
囲碁を習って。みくりが白菊から
将棋とチェスを習ったらどうだ?
どれも定石と戦略が物を言いうのは同じだからな」
「それが、スルタンのお望みであるなら」
そうすっと白菊姫が杏寿郎に頭を下げた
ん?待てよ…
「君は、これから大忙しだな。
白薔薇と、赤薔薇と牡丹からは
夜の褥の手ほどきを。そして、
白菊からは、将棋とチェスの手ほどきを
それぞれに受けねばならぬからな!」
「でも、スルタン。それでは…
王妃としての素養が…、偏りすぎて
しませいません事?王妃足る者の
立ち振る舞いは学ばねばなりませんもの」
にっこりと両手を合わせて
微笑みながら撫子姫が言って来て
「皆。君に興味津々の様だな。
なら、日替わりで手ほどきを
受けるようにすればいいな。
無論、菖蒲と鈴蘭が拗ねるだろうから
彼女達からも手ほどきを受けて貰うとしよう」
「あの、スルタン様…私は
武芸一般にはそれなり素養がありますが。
王妃に求められる様な、舞や歌や楽器の
素養が……、壊滅的なのですが?」
「あらあら。心配は要らないわ。
安心して?手取り足取り…
みっちりと、お稽古…しましょうね?」
怖い怖い怖い
その穏やかな笑顔が
断らせないって言ってる…から
「おっと、こんな時間か…。
まだ、君を
案内せねばならない場所があったな。
手ほどきの件は、調整をつけさせよう。
みくり。付いて来い。案内しよう」