第35章 絶対君主の言いなり お相手:煉獄杏寿郎 R-15
確か…白菊姫は
まだ齢 14だったはず
スルタンより10歳年下だった…と
そう記憶しているが
とても14の 年幅行かぬ 少女とは
思えない様な その美貌からは
色香を感じてしまうし
不思議 そう言うなれば不思議な
危うさの様な そんな魅力を
白菊姫から感じる
違和感なのだ……彼女の顔を見ていると
時折 少年の様にも見える
美しい整ったお顔立ちであるが
ああそうか 中世的な
お顔の作りをしておられるから
少女の様にも
少年の様にも見えるのか
「質問」
そうだった
馬について質問されてたんだった
返答がなかなか返って来ない事に
苛立った様子で白菊姫が尋ねて来た
「この馬は、黒曜は
…元より私の馬にあります。」
じっと白菊の目が
みくりを捉えて来て
そのどこまでも済んだ青い瞳に
吸い込まれてしまいそうな気がする
「嘘。その馬、凄くいい馬じゃない
その馬だけで、かなりの価値があるのに。
それに、馬術……得意なんでしょ?貴方」
「あら?もしかして、白菊は…、
馬に乗ってみたいの?」
たおやかな 女性らしい
しなやかさと優しさと気品の兼ね備えた様な
スリガラスの様な瞳が印象的な
いやらしさのない色気のある
撫子姫が澄んだ声でそう尋ねて来た
お声もたおやかで女性らしく
その口調までたおやかだ
女性の鏡と言うのはこの様な女性を
指すのだろうかと
そう思って みくりが聞き惚れていると
「……私も、鈴蘭様のお茶会に
行きたかったのだけど…、昨日は
舞の稽古の時間と重なってしまって…。
私も、貴方をお話をしてみたいと…
そう思っておりましたのよ?」
とそのたおやかなゆったりとした
口調と澄んだお声を聞いているだけで
日々の喧騒から解放されそうだ
「いえ、そんな勿体ないお言葉」
「だったら、今度は僕たちの
お茶会にも、来てくれるよね?」
僕と白菊姫が自分の事を言って
違和感を感じなかったのは
その中性的な雰囲気の所為だろうか?
「みくり」
杏寿郎がみくりに耳打ちをして来て
「はい、なにでありましょうか?スルタン様」
「白菊は…、白薔薇とは違う意味で
どっちも行ける…口だからな?
白菊は気難しい、繊細な性分だから
人見知りするのだが、君には平気らしい」