第35章 絶対君主の言いなり お相手:煉獄杏寿郎 R-15
此処の人達とみくりが言ったのは
俺が共に三節棍の稽古をしている
この者達の事なのだろうが
「王宮の警備をしている、兵士だが?」
「そうであるのでしたら…、
素人……ではありませんよね?」
腕組みをしながら…こちらを見ていた
杏寿郎が その男達の方を見ると
「君には、この屈強な身体付き
をしている男達が、素人に見えるのか?」
確かに 鍛え上げられた
筋肉質な体をした屈強な男達…と
そう見えるかも知れない…
「ですから…、良いんですか?
と私はお尋ねしてるのですが?
それに…彼等では、スルタン様の
お望みに叶いませんでしょうですのに」
そのみくりの言葉が
妙に引っかかったが
それは すぐに引っかからずに
通って行った
文字通り 一瞬にだ
「ですから…、彼等では。
私の三節棍をお見せするに叶いませんと。
そう、私は申し上げたまでです」
大の男が 3人地面に伸びていて
残りの2人は膝が震えて
動けなくなっていた
「なら、自分の目で…確かめるまでだな?
君が俺に言いたいのは、そう言う
事なのだろう?違うか?みくり」
その場に座り込んで
動けなくなっていた男が
縋り付く様にして握りしめていた
三節棍を杏寿郎が引き抜くと
その手に構えた
ビリッと空気が震えるのを
感じる
その構えの形……
隙がない……
ただ 隙が無いと感じてるのは
私だけじゃなくて
彼が動けないでいる その理由も
私の構えに隙が見えないから…
正直 剣は苦手だが
三節棍とて あまり得意ではない
そこそこ…の程度に使えるぐらいだ
三節棍は正直
癖が強いから扱いにくいと
私は感じてるし
熟練の手練れの使う物だと
そう熟知している
スッと目の前に杏寿郎が
一瞬で間合いを詰めて来るのが見えて
そのままお互いの三節棍で打ちあう
「そこそこ…で、この腕か……
だったら、何なら得意なんだ?」
これよりも こましに使えるのは……
「これよりも……でありましたら。
六尺棒か槍がましにありますが?」
得意ではない と本人が言う
剣術でさえも かなりの腕前だ
そこそこの 三節棍は相当の腕前
だとすれば……だ
これよりも ましと言う
六尺棒と槍の腕前は……如何ほどなのか?
「では、みくり。
君が……最も得意とするのは?」