第34章 眠れぬ夜には…… お相手:煉獄杏寿郎 ※裏なし
そう言っている間にも
また 雷の音が聞こえて来て
迷惑を掛けてはいけないと
みくりが自分の口を塞いで
悲鳴が漏れない様にする
「で。君は…寝れるのか?」
「雷が止めば…っ、恐らくは……」
「そうか。なら…俺が手伝おう」
そう何かを決めたらしく
押し入れの方へ向かうと
杏寿郎が押し入れの中から
もう一組布団を出して来て
何をするのだろうかと
みくりがそれを眺めていると
部屋の中央に敷いていた布団の
と言っても……
私自身は掛け布団と部屋の隅にいるので
敷布団があるだけだけども
敷布団の隣に
持っていた布団を敷いた
布団を敷き終わると
杏寿郎がこちらを見て
「みくり。こちらに来なさい」
「は、はい。お呼びでしょうか?師範」
掛け布団にくるまったままで
みくりが杏寿郎の前に正座する
「そこに寝るといい」
そことみくりの敷布団を
杏寿郎が指さして言って来たので
その言葉の指示に従って
みくりが布団に横になる
「これで、よろしいでしょうか?師範」
杏寿郎にお伺いを立てる様に
横になったままで身体を
みくりが杏寿郎の方へと向けた
「ああ。それでいいぞ。なら…」
そう言いながら杏寿郎が
みくりの横になっている
その隣に敷いた布団に横になったので
何をするつもりなのかと
みくりが思っていると
掛け布団の上からトントンと
杏寿郎の手がみくりの
肩に辺りを叩いて来て
どうやら私は 師範に
寝かしつけられよう……と
されているらしかった
「あの…、師範?」
「ん?どうした?みくり。
何か言いたい事でもあるのか?
言ってみるといい」
「もしかして…と思って、お尋ね
したいのですが…。もしかしなくても、
私、寝かしつけ…られてませんか?」
驚いたと言いたげに
杏寿郎が目を丸くさせて
「そうだが。良く気が付いたな」
と言ってにっこりと笑った
それに気が付いたご褒美のつもりなのか
エライエライと頭を撫でられてしまって
「あの~、師範…。
気になるのですが……、
私はそこまで、子供でもありませんよ?」