第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15
つっ…と指先を
私の胸の上で彼が滑らせて来て
そう問いかけて来る
寝巻の上からでも
触れて欲しいと言いたげに
ツンっと盛り上がっている
その部分を……避けるようにして
その周囲だけに指先が触れて行く
「ん、…っ、……はぁ、…ん」
積もって行く……みたいだ
自分の中で… じりじりと
積もって行く…
私の手から零れた砂が… 少しずつ
少しずつ 積もって行って 山になって行く
その 砂の山の中にある
一粒の砂に 答えがあるのなら…
その一粒の砂のを
砂山に手を突っこんで探り当てて
取り出したのならば……
「……望まぬ…のなら、触れぬが…?」
その 一粒の砂に書かれている答えは
愛なのか 欲なのかと…
その答えにみくりが悩んでいると
声が降って来た
その声を聴いて ハッとした
ああ そうなのかと……気が付いた
私にそれを問う 彼の声に言葉に
欲の色が一切無かったから……
「君は……そこに何故に、
答えを求めたがるのか……。
俺には理解に苦しむが…、
今……俺と君がここに居る……。
在ると言うだけでは、
その求むる答えには……
足りないか?みくり」
正直 彼の杏寿郎の言葉の
指し示す所の意味が
私には完全には理解には 足りてないが
もっと 深い 根底的な部分で
それに足りていると言われているのは
みくりには理解が出来たので
みくりは首を左右に振って答えた
「そうか……、いい子だ。
なら、……俺に委ねれば……いい。
全て…をな。その身も心も……魂も
その全ての君を成す物を……
俺に、委ねればいい」
ああ…… 何て 何て
甘美な 束縛なのだろうか……
慈しむかの様にして
杏寿郎がみくりの頬を撫でる
彼の言葉は……
その砂の山の中の一粒の砂粒を
探すのではなくて
そこに答えのあるもなしも構わずに
その全てを 掬い取る様な……
そんな 意味だったから……
きっと そんな事を求めるのは…
必要もない事だと 言う
意味なのだろう…な …と
やはり スルタンともなる方の
お心の在られる所は
どうにも常人のそれとは
こうも異なるのかと… 感心してしまっていた
「して、君の答えは……?」
そう答えを求められて 頷いた