第8章 愛し合いっこ お相手:冨岡義勇
「お布団行こ?」
「ああ、行こう」
風呂から出ると
大きな手拭いで体を丁寧に拭かれて
みくりもそれに返すように
義勇の体を拭いた
「拭き合いっこも、あったな」
と義勇が嬉しそうに笑った
捕まれと促されて
またしてもお姫様抱っこにされて
寝室まで運ばれる
義勇も柱してるくらいなんだから
それぐらいの力はあるんだろうけども
そっと布団の上に
みくりの体を降ろした
お互いに見つめ合って
そのまま抱きしめ合って
唇を重ね合って
舌を絡め合う
ギュウウッと抱きしめ合っているだけなのに
どうして こんなに
目の前にいる 義勇が
どうしようもないくらいに 欲しくなるのかな?
自分の中にある 彼を愛おしいと思う気持ちが
次々に溢れて 零れていくよう
「義勇、好きっ、義…勇……」
そっと彼の手がみくりの髪を撫でて
「ああ、みくり、俺も、……みくりが好きだ」
頬に添えられて愛おしいそうに撫でられる
その言葉も
その視線も
その熱も
何もかもから 彼の気持ちが溢れてて
こんなにも 愛されるんだなぁと感じる
「みくり、……好きだ」
「義勇、私もっ…、義勇が好きだよ」
抱きしめられてるだけなのに
こんなにも どうしようもないくらいに
彼が欲しくなって来てしまって
その体にすがるようにして
抱き付いていた腕に力を込めた
「義勇。怒らないで…聞いてくれる?」
「どうした?みくり……」
「その、もう……えっと、
…私、義勇が欲しい…みたいで…」
抱きしめあってただけなのに
欲しくなっちゃうとか
義勇もびっくりしちゃうかな?
でも 今日の彼が 欲しいって気持ちは
いつも感じている
彼が欲しいって気持ちとは違ってて
気持ち良くなりたいってよりも
彼とひっついてたくて
繋がりたいって気持ちで
「俺も、そう……思ってた」
そう優しく囁かれて
ぎゅっと抱きしめられて
また胸の辺りがギュッと締め付けられる