第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15
みくりが中庭の
その蓮池の前に立つと
あちこちからクスクスと
失笑するようなそんな
あざ笑う様な笑い声が聞こえて来る
要するにみすぼらしいと
そう言われているんだろう
どうせ 私は顔も普通だし
身体だって貧相な胸しかついてない
「……随分と、遅かったな…みくり」
「そうでしょうか……、
朝から部屋を引っ越しさせられて
荷物の整理も付かぬままに
はせ参じましたのに、遅れてしまい
申し訳ありません……スルタン様」
スルタン様とみくりが呼ぶと
ムッとその眉を顰めた
まぁどうせ……
その内 この遊びに飽きたら
処刑される身なのだから
ちょっと位… 反旗を翻しても
バチも当たるまいと
「それに私が今朝……寝坊をして
しまいましたのは。昨夜のスルタン様が
……あまりにも激しかったので…」
猛攻……とも言える
彼の碁の打ちまわしは
血気盛んなその気質その物だったし
ガタンっと音を立てて
杏寿郎が椅子から立ち上がったので
その両端に居た2人の王妃は
驚いてしまった様子だったが
ギッと睨むような視線をこちらに向けて来て
その身体からは気迫の様な
物まで滲み出ていたので
ますます何事なのかと
両サイドの2人の王妃はオロオロと
うろたえていて
その2人の様子に気付いたのか
ふっと笑顔になると
その気迫は遠のいて
杏寿郎が2人の頭をよしよしと撫でると
「すまなかったな。白薔薇、
赤薔薇……。怖がらせてしまったか?
許してくれ……つい、熱くなってしまった」
それぞれの王妃の頬に口付けをして
恐怖心を和らげてやる
恐怖心を…和らげて……?
んん?
そのまま両腕をそれぞれの
腰に回してその弾力のある
小さなお尻の感触を楽しみつつも
交互に熱い口付けをし始めてしまって
へなへなとその場に崩れた
2人の身体を軽々と片手づつで
支えて自分が座っていた椅子に
2人をもたれ合う様にさせて座らせた
自分の唇に移っていた紅を
親指の先で拭うとペロリと舌なめずりして
「で、……さっきの話の続きだが……」
そう言いながら
再び威圧感のある目をみくりへと
向けて来る