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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15


そのみくりの言葉を聞いて
杏寿郎が顔を顰めた

勝負事と言う事では
昔から人一倍負けたくないと言う
負けず嫌いな性格をしていたし

勝敗のある物は…勝ちたいと
そう思う性分であった

自他共に認める
この俺の目の前の
”無能な侍女”は…俺に

事もあろうか……

一局 碁を打とうと……持ちかけて来て

驚きを隠せなかった

それも当然だ
この後宮の10人の妻は勿論の事

家臣の中にも

杏寿郎と張り合えるだけの
碁を打てる相手が居なかったのだから

打つ相手がおらずに

長らく部屋の隅に追いやって居たままに

なっていた碁盤だ

「俺は…、将棋もそうだが……
碁には自信があるし、
腕に憶えがあるのだが?」

よいしょっと言いながら
別の物の下敷きになっていた
碁盤をみくりは引っ張り出して来て

その埃を手で払った

「少々埃がついておりますが、
スルタン様が使われる碁盤と碁石だけ
あって、極上の品にあられますね……
榧(かや)の木目に太刀盛りで引かれた
目盛りも冴えわたる様にあります……」

そう言って先程の
寝巻の織物を眺めていた時の様な

キラキラとした目を輝かせ

うっとりとその盤面を撫でる

その仕草を見て居れば……

彼女が碁を…こよなく愛するのだと
言う事は十分に理解は出来たが……

その時の俺は

ある事を大いに失念していた


「では、時間は如何致しましょう?
2時間でいいでしょうか……」

「…いや、6時間だ」

今から6時間…と言えば

丁度夜明け…までと言う事になるけど

「かしこまりました」

そう言って

盤を挟んで対峙して

感じた事があった


さっきまでとは纏う空気が別人だ

囲碁にしても将棋にしても

常に相手の先手を読むのが鉄則だ

自分の打った手にどう返して来るのか

それを見て その後の展開を

相手よりもより多く…

読んだ方が勝利する……そんな物だと

そう思ていたのだが


お互いに数手打って気が付いた事がある


「君の打ちまわし……、どうにも
古臭い定石の様な手に見えるが…」

随分と古典的な打ち方だ

だが 古典に沿ってるのでもない

時折 フワッと浮いた様な


一見すると悪手に見える様な

そんな妙手が時折混じる…

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