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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15


杏寿郎は
ぼんやりとその光景を
見ながら考えていた

その光景と言うのは
もう3日も何も食べていなかった
人か何かの様に
次々に食べ物を平らげて行く

みくりの姿だ

「そんなに慌てて食べると…、
喉につかえるぞ?沢山あるのだから
ゆっくり食べればいい……」

「…んっ、うぐっ…」

「君はバカなのか?今俺がそう
言った所だろう?ホラ……飲むといい」

そう言って手渡されたグラスの
中身を自分の胸を押さえながら
グッとみくりが一気に飲み干した

水だと思って飲んでしまったけど

これ…ブドウ酒だ……

それも スルタンが口にする為に

選ばれた一級品…のブドウ酒

「……美味しい、すっきりとして
それでいて、若いブドウの香り
と程よい酸味…。こちらは…西の方の
ブドウ酒ですか……香りが東の方の
産地と異なる様にあります……」

「これを飲んでその産地まで
言い当てた…者は俺の妻にはいないが。
そんなに気に入ったのなら、もっと
飲むといい。今年の新酒だ」

「そうでしたか、でしたら
今年の西の産地からの上納品には
期待が出来ると言う事ですね…」



「いいな…、悪くない」


そう杏寿郎が呟いて

「ええ、そうですね。
とても…美味しい新酒ですね」

「いや…、そうではない
俺が言っているのはそうではなくて…だな」

まだグラスの中に
ブドウ酒が残っているのに

その上からドボドボと
新しいブドウ酒を注がれて

その縁が 盛り上がる程に溢れて

零れたブドウ酒が みくりの手を濡らした

そのグラスを持っている手の上に
自身の手を杏寿郎が重ねると
その中にあるブドウ酒を飲み干した

まだ 残ってた…のに?

グラスは空じゃなかったのだ

私の飲みかけていたブドウ酒が残って

それを飲ん…でって

飲んだ…飲む

「なっ、な、な、なっ、何て事を
なさるのですかぁあぁっ!貴方様は!!」

五月蠅いとでも言いたげに
自分の耳の片側を指で塞ぐと

「声が大きいぞ?
その様な声を出さずとも聞こえるが?
それとも…何か、間接的に…でなく
もっと直接的に…、
同じ酒を分かち合いたかったか?」


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