第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15
スルタンの指摘している部分は正しい
私は一般的な貴族の娘が
年頃になるまでに受ける
その……所謂 夜の床での礼儀作法に
纏わる教育を
一切施されていなかったのだから
「ご指摘の通りにあります……、
ですので、スルタン様。私では
スルタン様の夜伽は務まりません故」
「それとこれは別の問題の様にあるが?
できないから、知らないから、
しなくていいとは、
俺は許可した覚えはないが?」
杏寿郎の言葉に
どうかえせばこの夜伽を逃れる事が
できるのかとみくりは
思考を巡らせる…が
良案は浮かびそうになかった
「しかし…、私はそう言った
技術的な知識がございませんので。
粗相をするかも知れません。
それに…スルタン様には他にも……」
「確かに俺には妻が10人居るが…」
そう言ってゴロンと天井を向いて
寝転びなおすと手を頭の裏に添えて
足を組んだ
腰布一枚だけなので
こちら側から見ていると
その組んだ足の根元の辺りの…
少々際どい辺りまで
見えてしまって居るし
普段から武芸の稽古に余念がなく
領土拡大には余念のない
無類の戦好きで知れているスルタンだ
その身体はしなやかにありながらも
締まって居て均整の取れた
筋肉質な肉体をしている
「俺が妻に夜伽を命じるのは、
上から順番通り…でない事ぐらい
知っているだろう?」
そう 本人が言う通りに
第一王妃から順番に…ではない事は
確かだ
それに…色々な噂話……も
後宮には飛び交っている
「より…国に貢献した家の娘が
より、ご寵愛を受けられる…とは
聞き及んでおりますが…」
「では、君が把握してる中で
一番この国の発展を支えて来た家は?」
この2ヶ月の間に
スルタンの寵愛が椿姫様に大きく
傾いていたのは事実…
それはその前の……椿姫様のお家が
暴徒の内乱を沈めた…からとは
家臣達の話で聞いていたが…
「椿姫様の…、お家にあるようにあります」
「そうだ。なら……長い目で見て
この国に一番貢献してる家は?」
「…………あの」
「何だ?」
言いたい事は理解した……と思う
長年 代々に渡り
この国の発展に貢献した家…
それは つまりは…