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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第32章 地味な俺の地味じゃない彼女 村田さん



「立てば芍薬、座れば牡丹……
正しく、君の様な女性の為の
言葉かと思っていたが。
剣を振るわば修羅となる……か。成程」

「私が柱になるのを避けるために
階級の調整をしている…と言う
事実の、真相がお知りになりたくて…、
私にその様なお話をお持ちかけに?」


みくりの言葉に
杏寿郎がにやりと口の端をあげると

そのまま空いたお猪口に
自分の手で酒を注いで

くいっと一気に飲み干した


「君の容姿は美しいが。
……真に美しいのは、その、何物にも
左右されない信念…とでも言った所か、
村田……と言ったか。
君に…彼女を……飼いならせるのか?」

「飼いならす……
必要なんてありません。
俺と彼女は
そんな関係じゃないですから。
みくり……、帰ろう。
ここにいる意味はないから」

村田がみくりに手を差し伸べて
みくりがその手に
自分の手を重ねると

村田がみくりの手を引いて
その場から立ち上がらせた

「村田さんっ、でも……」

ちらっとみくりが
隣にいた杏寿郎の方へ視線を向けた

当の杏寿郎の方は
みくりと視線を合わすこともなく

自分の手酌でお猪口を満たすと

それをまた くいっと飲み干した

「いいから。みくり。帰ろう」

そうもう一度村田が言って来て
みくりがその言葉に頷いた

「うん…、わかった。帰る」

そのまま逃げるように
宴席の広間から出ると

小料理屋を後にする

彼は無言のままで
私の手を引いて歩いていて

どこを…目指しているのだろうか

「この近くに
藤の花の家はあるけど…、
きっと他の隊士も
今夜はそこに泊まるだろうから…」

柱である 煉獄杏寿郎の機嫌を

宴会の席で損ねる様な
真似をしてしまったのは事実

他の隊士も利用するだろう

ここから近い藤の花の家には
厄介になるのは無理だろう……

「ああ。でも、みくりは、
心配しなくていいから。どこか…
泊まれそうな場所…、あると思うし」
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