第32章 地味な俺の地味じゃない彼女 村田さん
あの 小野寺 みくりが
村田と付き合っている……
鬼殺隊の最大の謎とか
そんな噂になってるのも知ってる
俺の彼女は……
隊でもちょっとした有名人だ
華奢な体付きに
不釣り合いな程大きな胸で
その上更に
可憐な容姿と声をしている
可愛い…んだ かなり
俺だってなんで彼女が俺と
俺なんかの彼女してるのか
良く分からない時があるくらいだ
本当は……悔しいけど
炎柱の隣に座っている
自分の彼女を見ていると
美男美女で相当にお似合いに見える
それに剣の腕だってそうだ
俺みたいな
中途半端な水の呼吸なんかじゃなくて
「昨日の、君の使う水の呼吸
…かなり、水の深い呼吸だったな!
…冨岡に話をつけるか?
冨岡の継子になるといい!
俺の継子にしてもいいがな!
どうだ……?小野寺、悪い話ではないと思うが?」
「あ、あの…。私は水の呼吸なので……
炎柱の継子には…、成れないかと…。
それに、水柱も継子はお取りにならないと
噂でお伺いしておりますが…」
「呼吸が異なっていても、
継子にはなれるが?
君は……、柱にはなりたくはないのか?」
剣の才覚があると
炎柱に褒められて継子にならないかと
そう言われてしまった……
「いえ、…私には
その様な器がございませんので……」
「いや、それは違うだろう?
そう自分を過小評価する必要はない。
君は将来…、柱になるべき…存在だと
俺は昨日のあれを見て感じたが……?」
「でも……ッ」
杏寿郎に尋ねられた事に
答えなくてはと
みくりは言葉を詰まらせていて
返答をあぐねいているのは
俺にもわかったから
「とにかく、
彼女はそう言ってるんです。
その質問は
それぐらいにして貰えませんか?煉獄様」
じっと杏寿郎の赤い瞳が
村田の顔を見つめて来て
「俺は…君ではなく、
彼女に聞いているのだが?」
邪魔をするなと言いたげに
そう言われてしまった
柱 怖えええっ
威圧感… やべえぇええっ
恐ろしいわっ 柱ッ……