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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第31章 年上の彼女の憂鬱  お相手:冨岡義勇


その姿勢や所作を見ていても
彼の育ちの良さが伺える

紅茶を淹れて
ケーキを皿に移して

義勇の座っているソファの前の

テーブルの上に置いた

「みくり…」

少しばかり不安そうな表情をして
彼が私の名を呼んで来て
じっとこっちを見つめていたので

「その様な、顔をなさらずとも……
私も、ちゃんと腰を降ろしますわ」

そう言って そのソファの前の
テーブルに向かい合う椅子に
みくりが腰を降ろそうとした時


「待て…」

「どうか…なさりまして?冨岡さん」


「そっちじゃなくて…、
こっち…、に座って貰いたい……」


そう言って 義勇が自分の隣の
空いているスペースを手で撫でた

少しばかりの距離を取って
私は彼の隣に腰を降ろした

彼のパーソナルスペースは広めだから

あまり密接になり過ぎない
恋人の距離にしては遠いぐらいが

彼にとっての心地のいい距離感


恋仲になってすぐの頃も

彼の距離感が少し遠いので


恋仲だと周囲に認識されず
連れだと思われていない場合が

しばしばあった

本当は…


こうして 出会うのも…

丸ひと月ぶり以上なのだから


もう少し 近付きたい

そう 思ってはいるけど…

そう言いだしていい物なのかと
変に気を使い過ぎてしまって

言い出せないでいた


隣にいる彼の横顔をちらっと見る


相変わらず 人形か
何かかの様に際立って
整った容姿をしているのだ

こうして黙って座っているだけで

女性の方から寄って来そうな物だけど

彼からすれば

この行き違いの原因は単なる
寛三郎さんの配達遅れなのだが

手紙を寄こしたにも関わらず
返事のひとつも寄こさない

薄情な女…とでも

思っているのだろうか……?

気を 悪くなさってる……わよね?


お顔を見ているだけでは

分からない……けれど
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