第30章 みじかいおはなし その2 ※裏なし お相手:色々
その言葉に どきっと胸が跳ねた
「いや……その、でもそれはまだ…
私ひとりの身体かそうでないかも…、
知れぬ事でありましょう?」
その そう言う
所謂 夫婦の営みがあってから
まだ次のそうなる時期までは
時間があるから…
私の中でそうなって居るかは……
当の本人にすらもまだ
知れぬ……事であるのに
そんな風に言われてしまっては
そっと杏寿郎の手が
みくりの下腹部の辺りを
なでなでと撫でる
「いや、ですから……。まだ
そうなってるとは知れないと……
申しているではありませんか」
「だが、そうなってるとは
知れぬかも知れんが。
そうなってないとも、
言いきれんだろう?」
確かに それはそうなのだけども
そうなってる…前提で扱われてしまうのも
それはそれで……
「確かに、そうではありますが……」
「そうであれ、そうでなかったであれ。
君の身体も…、大切にしてほしい物だが?
俺は、いつも家に居るわけじゃないし、
留守にする事も多いからな。
君の事を……
そばで気遣う事も出来んからな」
彼の
杏寿郎さんの 言葉に
私に対する 心遣いが沢山感じ取れて
ギュウウウと胸が締め付けられると
同じくして
熱く 胸の中に
彼が愛おしいと好きだと思う気持ちが
溢れてくるのを感じる…
「みくり……。
まだそれが知れぬと言うなら…
そうしたい…、と言ってもいいだろうか?」
「あのっ、杏寿郎さん?
朝…ですよ…そのっ」
そのまま首筋に口付けられて
チュっと吸われて舌を這わされる
「それに……仮にそうだったのなら、
それは……んっ、あっ、ちょ、…っと
杏寿郎さんっ、ここっ、外っですから」