第125章 ついに来た8月…~分娩第2~3期編~お相手:煉獄杏寿郎現パロ
身体中に大火傷を負って…
意識が朦朧としてる時に…
私に…… 回復の呼吸をする様にって
呼び掛けてくれてた…声を…思い出して
あの時の…彼の姿に
涙で滲んだ視界に移る…杏寿郎の姿が重なる
「奥さんっ!しっかりしろ」
その杏寿郎の声にハッと我に戻って
「杏寿郎?」
我に返った瞬間にまた痛みのピークがやって来て
この子宮口が全開大になった頃は…
常に痛いんじゃないかって位の
陣痛と陣痛の間隔が1分とかで
痛みの持続する時間の方が…長くなるから
「んぅうう゛ううぅ、…ンッ」
いきんで良いと言われるまでが
強い痛みを感じてるのにいきめない辛さの
方が…痛みとかよりも強い感じがする
「まだ…ダメッ、まだ…我慢してッ。
近藤さん、鏡…ある?
鏡、持って来てくれる?」
そう言って…先生が
手鏡を持って来てと看護師さんに言って
隣の部屋から看護師さんが
手鏡を持って…戻って来て
「先生、鏡…持ってきました…」
「うん、ありがとう。
鏡、そこ…置いといて。
今…赤ちゃん大分…降りて来てるから。
赤ちゃんの頭…ちょっと見えて来てるからね。
次…大きな陣痛の波来たら生まれるからね?
いい?次の波が来たら、顎引いて
自分のおへそを見る感じにいきんで良いから」
ベッドの手元にある
いきむ時に掴む黒いグリップを握って
陣痛の波に合わせて来る
いきみたい感覚に合わせて
言われた通りに顎を引いて
自分のおへそを見るように
上半身を丸めながらお腹に力を入れる
「んぅうう゛うぅ…ンっ!!」
「そうそう、はい、いきむの止めて…
次の波来たらもう一回ね――!!
すぐ、次くるよぉお、はい!
そう、もっともっとその調子ぃ!!」
陣痛の波に合わせて
その痛みに乗せる様にいきむと
陣痛の波が引く時には力を抜いて
次の陣痛の痛みの波に合わせるように指示される
「んん゛んんっ…うううっん!!!」
「はい、止めてッ」
「暑いいいっ」
その真っ赤に紅潮した顔を
濡らしたタオルで拭って
合間にストローキャップでスポドリを飲んで
水分補給をするのを手伝って
「……煉獄さんっ、これ…見える?
赤ちゃん…の頭…、見えて来てるから」
さっきの手鏡で
赤ちゃんの頭を見せてくれて
その赤ちゃんの髪の毛が…
杏寿郎の髪の毛の色と…同じ色してて
「あははは、見て、一緒だよ?」