第122章 2人で見上げた夏の夜空は… お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「廃業寸前だった、俺の所の
あの釣り堀を…どん底から。
今や日本中から、
俺の育てた山女魚目当てに
お客さんが来てくれるまでになっちまった」
「そうだぞ?なあ、親父、そうだよな?」
そう持留が言い終わるや否や
今度はおじさんがおじいちゃんに
そう意見を求めて来て
「そうじゃぞ?元は…みくりが
小さい頃は、トマトが嫌いだったらな。
わしは、みくりが嫌がらずに
食べてくれるミニトマトを育てる為に
あれこれとして試行錯誤を重ねたんじゃ…」
その話は…もう 何回も聞いたよッ
片山さん家のミニトマトと言う
今や関西圏に名前を広めつつある
ブランドミニトマトの農家になるまでは…
おじいちゃんが酔っぱらう度に
話をしてくれるから耳からタコが生えて来る
勢い位な回数には聞かされている
「だってっ、トマトッ…酸っぱかったからっ」
お店に並んでる綺麗なトマトは
ちゃんと完熟してないから
皮は硬いし酸味しか無くて
青臭さの残る味が苦手だっただけで
こっちで完熟したトマトを食べて
トマト革命が起こったは確かで
おじいちゃんのトマトも
神南港に住んでた頃に食べてた
あのトマトの味だと思ってたから
食べないって駄々をこねてた…だけなんだけど
色んな人から褒められてしまって
どうしたらいいのか分からずに
近くに居た唯花の身体の影に隠れると
「お姉ちゃんどうしたの?
どうして、唯花の後ろの隠れるの?
お姉ちゃん悪い事したの?」
「そうじゃないよ、お姉ちゃんは
とってもいい事をしてくれたんだよ。
唯花、お姉ちゃんをいい子いい子
してあげてくれるかい?できるね?」
成瀬さんがそう娘の唯花に言って
いい子いい子とその小さな手に
頭をナデナデとされてしまって
思わず ほっこりとしてしまって
「女の子…もいいものでしょ?
やっぱりね、上が男の子だとね
お洋服とか買いに行ってもね、
やっぱり女の子の服がね…可愛いなぁって
なったりしちゃうからね。次は、
女の子がいいんじゃないかしら」
そう言って詩織がにこにことしていて
「そうか、そう言う事なら…、
俺としても、是非とも…二人目を
作ると言うタイミングには、
女の子…を努力する必要がありそうだな」
「ああ、御免よ。杏寿郎君。
忙しくしてる時に、来て貰って。
丁度良かった、僕の父も来た所だしね」