第122章 2人で見上げた夏の夜空は… お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
いや…それを止めても
うちの家族も知ってるし
誰に対しての体裁なのかも
私にも分からないけど
こんな場所で過去を蒸し返されるのは困る
「お義父さん、でもそれで
正解だったんですよ。彼女は
あの渡辺酒造のあの彼と別れてくれたからこそ、
中条市に、杏寿郎君をもたらしてくれたからね?
本当は大学進学はさせない方が、
良かったんじゃないかって僕も
ずっと悩んでたんだよ、あんな事もあったし…。
だけど、その紆余曲折が…結果として
僕にとっても…中条市にとっても
全部+になって影響を出して来てるからね」
あの…私にとっては
忘れたい過去でしかない
大学時代のあの話も
結果として成瀬さんと奏さんを
引き合わせる事になって
奏さんとの出会いは成瀬さんに
お金では買えない価値を与えたのだそうだが
それに…河田の件だ
河田の後ろ盾を崩す為の準備
財界や政界各界に…人脈を
張り巡らせた結果…成瀬さんには
著名な政治家や財界関係者…
色々な業界関係者とのパイプを作って行く事になって
その人脈が…結果として
成瀬さんの会社を大きく
急成長させた理由の1つでもあるから
成瀬さんの会社が大きくなって
成瀬さん自身が長者番付に
その名前を連ねる様になったのも
全ては…あの時の奏さんとの
約束の為…だった訳で
その結果 大企業の社長になった訳だけど
「言っただろう、僕は…。
何も無い土地があるんだけどって」
山の中にある広いだけの土地を
私ならどうするって言われて
ぱっと頭の中に思いついたのは
杏寿郎に告白されたあの
大阪の埋め立て地のネモフィラ畑だったから
何も全然考えらしい考えも無しに
ネモフィラの種でも蒔けばいいなんて
適当に適当な返事をしたのが
このネモフィラパークの始まりで
「この公園が、ネモフィラだけの
公園じゃなくなってるのは、
君だって知ってるでしょ?」
「でも…私は…何も…ッ」
「僕が、大金をここに注いだだけじゃ
こんな風にこの場所はなったりは
しなかったんだよ?それに
僕がそう出来るだけの、財力を
手に入れたのも…君が居たからでしょ?」
バシンといい音がする程に
今度は持留のおっちゃんが
私の背中を叩いて来て
「そうだぞ?俺の所のあの釣り堀だってな、
ボロボロで閑古鳥が鳴いてたんだからな?
みくりが、言ってくれた一言がな…」