第6章 そん時はその時 お相手:不死川実弥
「じゃあ、決まり!あそこで休憩」
と言って不死川の腕を掴んで
ある建物を指さした
「って、お前っ、連れ込み宿じゃねぇーかよ!」
「大丈夫、大丈夫!何もしないから、ね?」
「バカッ!それは普通男が、
女に言うもんだろーがよ!」
休憩を提案した場所が
連れ込み宿だったのが気に入らないのか
不死川が不満そうにしているのを見て
「でも、その辺で座って休むより
お布団で横になった方が、体も休まるから…」
コイツに そんな他意がないのは
言動を見てれば 明らかではあるんだが
こっちはコイツに気があるんだから
勘弁して貰いたい
「休むだけ……だよな?」
と含みのある確認をされてしまって
「そうだよ」とみくりは返した
全く コイツも自分から
んな所に誘っておいて
後で後悔しても 知らねぇかんな
と内心考えていた不死川であった
入り口で 一刻でお願いしますと言って
中に入ると腰の日輪刀を外し畳の上に置いた
「お前は?その間どうすんだ?」
俺が休んでる間 コイツはどうしてる
つもりでいるのかと思い尋ねた
「別に、何も……しなけど」
「なら、手伝えや」
「手伝う?って何を?」
手伝えと言われてみくりが
不死川の言葉に首を傾げる
「そこ、座れ」
と言われて何だかよくわからないが
その指定された場所に座ると
とんっ と不死川がみくりの膝の上に
頭を置いた
膝枕をしてほしいって言えばいいのに
する事がなくて退屈なのか
みくりが不死川の髪をそっと手で撫でる
硬そうに見えるがそこまでも硬くない不死川の
髪の毛の感触を楽しんでいる様だった
「何、勝手に触ってんだよ、みくり。
俺にも触らせろ……」
スッと下から手を伸ばして
みくりの髪を纏めている
蝶の髪飾りを持って外されて
パサッと 髪留めを外され
纏められていた
みくりの艶やかな藤色の髪が降りてくる
くるくるとその髪の感触を楽しむように
自分の指に巻き付けて 不死川が弄ぶ
「お前の髪の毛、サラサラだな…」
「まぁ、一応…手入れくらいはしてるから、ね」
不死川に髪の毛を褒められて
悪い気はしなかった
「未病って言うんだよ」
とみくりが言って
みびょう?何だそりゃ