第121章 ピックアップ御礼 7月1日のお話 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
ベッドの上にハートの形になる様に
置かれているバラの花の数を数えて
……11輪…だ
杏寿郎がこちらに差し出して来ている
バラの花を入れて全部でそのバラは12輪で
その12輪のバラの花が
ダーズンローズだと…気が付いたのだが
「ああ、待ってくれ…」
一度 こちらに向けて差し出したバラを
杏寿郎が自分の元に引き戻すと
杏寿郎がベッドの上にあった残りの11輪から
2輪を手に取って 手の中のバラを3輪にして
「みくり、受け取ってくれ」
「ねぇ、杏寿郎…このバラ…」
確か… 私の記憶が確かだったら
ダーズンローズの12本のバラには
それぞれの花に意味があったはず…
杏寿郎が…こちらに差し出して来た
3輪のバラには…意味があるんだろうなって
「ああ、このバラの意味が知りたいのか?
奥さんが…俺にもたらしてくれた、
幸福な希望に対する、感謝の気持ちだが?」
杏寿郎にその3輪のバラを受け取る様に促されて
あの時のクリスマスに…
杏寿郎が贈ってくれたのは
プロポーズの意味の12本のバラで
夫婦になった 今…
杏寿郎が私に贈ってくれたのは…
12本のバラの中の3輪で…
こちらに向かって差し出された3輪のバラを
手にしている杏寿郎の手に
みくりが自分の手を重ねると
ううん…とみくりが首を左右に振る
「みくり?」
このバラは受け取れないと示す様な
そのみくりの行動に杏寿郎が
どう言う意味だと言いたげに名前を呼ぶ
3輪のバラの花を握っている杏寿郎の手に
重ねていた手にみくりが力を込めて来て
「違うよ…杏寿郎…、受け取れないよ?」
「みくり……」
「だから…この、バラを受け取るのは…
私じゃなくて、…こっちね…」
みくりがそう言うと
自分の手を重ねたままで
その3輪のバラを自分の大きくなって居る
お腹の上に重ねて来て
「私だって…、産んじゃわないと
いけないのが惜しい位だもん…。
確かにね、妊娠してたら、お酒飲めないしね、
お腹の中に赤ちゃんがいるから、大変な事とか
お薬とかね、何か1つするにしても…ね。
自分だけじゃないからって、気を使うからさ。
大変なのは、大変なんだけどね…でもね…」
みくりが言葉を一旦区切ると