第120章 夫婦でおもてなしをしよう! 後編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
「あっ、あのね…健太郎…。
私…、健太郎に謝りたい事があって…」
くすっと彼が口の端を少し曲げた
みくりの言葉とその
申し訳なさそうにしながら慌てる様子に
みくりの言いたい事は悟った様だった
「いいよ、あれはまだ試作で
人に飲ませる物じゃなかったしな…。
それに…さっきのあの言葉で
俺は十分だからな…、サンキューな。
みくり、戻ったら店に顔出せよ?
じゃーな、俺片付け残ってるから~」
そのまま健太郎は
すっきりした顔をして
手を大きく振って戻って行ってしまって
みくりの方は
訳が分からないと言いたげに
不思議そうな顔をして
首を傾げていたから
「彼は…あの時のあのビールを
君が大事にし過ぎて飲めなかった事と、
お祝いの樽酒が飲めないのを、
残念がってるのがよっぽど
嬉しかったみたいだな…。
きっと彼は、もっと今の酒より、
美味い酒を造ってくれるだろうな?
良かった良かった。なぁ?みくり」
そう言って杏寿郎が
スタスタと早足で歩いて行くから
それを後ろから追いかけると
小走りになりそうな感じになるが
ちょっと先に居た杏寿郎が
ピタッと足を止めて
「車まで、抱いて行くか?」
「いいっ、要らないッ。
じっ、自分で歩けるから、大丈夫ッ」
「だったら後で、
可哀想で哀れな旦那さんを…
奥さんが慰めてくれるだろう?」
チクチクと錆兎の
冷たい鋭い視線が刺さるな
「オイ、杏寿郎。
男の嫉妬は見苦しいぞ?
さっきのあのやり取りは、お前が
嫉妬したくなる気持ちもわかるが。
お前の奥さん、妊娠中で
酒飲めないの地味に堪えてるだけだからな?」
「あっ、あの…、みくりちゃん。
先程の…方が、昨日の夜に話をされてた
高校生の頃にお付き合いを…
されてたの方なのですか?」
頬を薄っすらと赤く染めながら
月城がみくりに尋ねて来て
公園から駐車場に行くまでに
3人から色々と言われてしまって
いじられ状態になってたのだが
駐車場に戻ると
運転手が挨拶をして来て
再び車に4にが乗り込むと
ネモフィラパーク中条を後にする
移動中の車の中で
杏寿郎がギュッと…
指の間に自分の指を絡めて手を握って来て
「きょ…う…じゅ…ろう…?」
恐る恐る 杏寿郎の名前を呼びながら
その表情をみくりが確認すると