第120章 夫婦でおもてなしをしよう! 後編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
木で出来た箱に
カンナくずのお花が並んで
入っている箱をみくりが持ち上げて
見て見てと月城の方へ見せて来て
「何かを使って、かんなくずを
染めているのですね、
黄色やピンクのお花も…ありますね」
「杏寿郎、これ買って来て良い?
母の日は終わっちゃったけど、
おばあちゃんとお母さんと、
杏寿郎のお義母さんにも…あげたいなって」
中に入っている
花の組み合わせも
その箱その箱で違っていて
中央は木のままの色の
大きなバラで固定されているが
その他の花は違う花の組み合わせで
メインはバラになっている様だが
数種類ある中から
みくりが自分の祖母と
自分の母親と杏寿郎の母親の
イメージに合いそうな物を選んで
「それから…これ…と」
同じ大きさの箱の物を3つと
それとは別にちょっと小さめの
箱に入った物を1つ持って
いそいそとレジまで持って行ってしまって
この企業スペースでも
地元の高校生の子が
お手伝いをしている様だった
「ごめんね、お待たせ。
良い買い物ができて良かったよ。
これが、かんなくずだって
ぱっと見ても分からないもんね」
「私も…これを…買おうかと…」
そう言って月城が
さっきみくりが
最後に買い足していた
コンパクトなサイズの
かんなくずのバラのボックスを持っていて
へへへとみくりが笑うと
自分がレジで会計を済ませて来た方を
月城の方へみくりが差し出して来て
「これは、私から雅ちゃんに。
ちょっと、このバラの隣のお花が
月下美人みたいな感じだったから」
みくりが選んでいたのは
紫色のバラと白い菊の様でもあり
見ようによっては月下美人にも
見えなくもないデザインの物で
月城の方は…ふんわりとした
淡い色合いのバラの箱を持っていたから
お互いにプレゼントし合う形になった様で
その木育のブースを後にする頃には
ふたりともニコニコでご満悦の様子だったから
ふたりに気付かれない様に
俺は錆兎と視線を合わせて
小さく頷き合ったのだが
「そう言えば、まだ成瀬さんには
会ってないな、あっちのいつもの
屋根がない方のイベントスペースの方か?」
「そうなんだよねぇ、西井君も居ないし。
絶対こう言うの、毎回居るのに」
運転手の人も成瀬さんは
会場に居ると言ってたし…
そちらへ移動する事にした