第27章 イレギュラールーティーン お相手:煉獄杏寿郎
杏寿郎が首を横に振って
「へ?ここまで来て、
気が変わったとか?入らないの?」
行きたいと行って置きながら
変な杏寿郎と思って居たら
「今日は、別のホテルにしないか?」
もうこのホテルに来るのだって
杏寿郎の週末の
ルーティーンなんだと思ってた
別のホテルに行きたいだなんて
そんなのここのいつもの部屋が
埋まってる時ぐらいしか
言った事なかったのに
まぁここは所謂 ラブホテル街だから
その隣も その向かいも
ラブホテルなのだが
何も言わずに差し出された
手を引かれながら
隣の彼の横顔を見た
それにしても今日の杏寿郎は
いつもの杏寿郎と違う
いつも通りの型にきっちりと
ハマった行動が好きな彼が
それにハマらない様な
イレギュラーばかり取り込んで来る
いつもだったら 今日は
ホテルには来ない日だし?
いつもだったら
あそこのホテルの
使う部屋だって
いつもの 4つの中のどれかなのに
何か 変…
そんな違和感の様な物を
みくりは感じていた
「それはいいけど、どこにするの?」
「なら、あそこにしよう」
そう言って杏寿郎が指さした
先を見てみくりは
一瞬 目を見張ってしまった
明らかにシックな杏寿郎が
好むような外観をそのホテルは
していなかったからだ
建物の外観からして
いかにもって感じのラブホテルで
凄く派手な
インパクトのある外観をしている
花がコンセプトのホテルなのか
外壁に大きなガーベラが咲いている
それも 色とりどりに…
一瞬 返す言葉も忘れて
ライトアップされた
その外観に見入ってしまって居ると
「嫌なのか?だったらあっちにするか?」
あっち?あっちと言われて
その方を見ると城みたいな
それも洋風じゃないくて和風の方
どちらにしても
杏寿郎の趣味ではないのは
もう3年以上も彼女をしてるのだから
私にも分かり切っている事なので
「ねぇ、…あのさ。いつもの所じゃ…
駄目な理由が…、あるんだよ…ね?」
「やはり、君は察しがいいな」