第27章 イレギュラールーティーン お相手:煉獄杏寿郎
「確かに、うちのアパートは壁は薄いが
薄い薄くないの…、
問題でもないんじゃないのか?
それに君の住んでいる女性専用の
アパートの他の住人にも、
男性の影があるようにあるが?」
彼のアパートは壁が薄いから
事が終わるまで声が漏れない様に
するのに気を遣うし
言ってしまえば集中出来ないと言うか
没頭出来ない…のは確かで
だからと言って
私のアパートはアパートで
名目上 女性専用なので
男性を連れ込んでいるのがバレると
あまりいい目で見られないから
等と言う諸事情もあったりしつつ
ホテルでする方が…
私が変な気を遣わなくていいだろうって
そう言う意味で
そんな会話を交わしながら
いつも使っているラブホテルがある
そう言ったホテルの並んだ
通りに向かって歩き始めた
少しばかり酔って火照った頬に
夜風が心地いい
「いっそのこと、引っ越してもいいがな」
そう杏寿郎が提案して来て
お互いのアパートには
何かしら難点があるから
こんな感じの話もそれこそ
今までも 何度かしたりはしたけど…
「職場から近い場所にって事?」
「いや、そうじゃなくて…
かれこれ、もう3年以上になるし
年齢的にも、将来的な事を視野に入れて
一緒に暮らしても…いい頃じゃないのか」
もうなんだかんだ言って
3年以上付き合っていて
将来的な事と言うと
結婚を…視野に入れてって事だよね?
「えぇえ~っ?一緒にぃ?暮らすの?」
「そう、嫌そうに
言ってくれないでくれないか?」
「えぇ?でも、だってそんな事したら、
もっとデートとかだって、
行かなくなりそうだし?
それこそホテルなんて、今より
行かなくなっちゃったりしない?」
「だが…、そうした方が…、君だって
気兼ねする事なく二人の時間が
楽しめると思うが?」
いつも行っている
ラブホテルの前について
歩いていた足を止める
「それは、まぁ。杏寿郎の
言う通り…なんだけどもさ。ねぇ」
みくりが入ろうよと声を掛けたら