第117章 2回目のハネムーンは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
よしよしと眠ってしまっている
みくりの頭を杏寿郎が撫でて
額に掛かっている みくりの
前髪を杏寿郎が指で掻き分けると
普段は前髪の下に隠れている
みくりの額を露わにさせて
ちゅぅ…とその額にキスを落とした
ちゅ…ちゅっと小さな音を立てて
数回…額にキスをする
「全く…どうにも…俺は…、
奥さんには…この先も…
敵いそうに…ない気がするんだがな…。
さっきまで俺が感じて居た感情も、
何もかも全部…を…
半分眠ったまま言ったあの言葉で…君は
全部、塗り替えてしまえる…んだからな…」
さっきまでの…気持ちが…
奥さんの 彼女のその言葉で
幸せな感情の一色に塗り替えられてしまって
自分の胸の中が…満たされるのを感じる
「今俺が…、感じて居る…
この…幸せな…愛おしさ…は、
普通の恋人同士じゃ…得られない…。
もうすぐ…子供が産まれる…
夫婦…だけが…感じる…物だろうからな…」
当然…奥さんは夢の国なので
俺の言葉はただの独り言にしか過ぎなくて
聞こえるのはすぅすぅと
あどけない顔をして眠って居る
奥さんの寝息が聞こえているだけだ
その…みくりの頭に
ぴったりと自分の頭を引っ付けると
杏寿郎は…自分の瞼を閉じた
奥さんは…今… どんな夢を見てるんだろうな?
こんな事をしても…その夢が
垣間見れる……なんて事は無いが
このまま…この気持ちで眠りに落ちて
見る夢はそれはそれは
さぞや…幸せな…夢だろうな…
そんな事を…ぼんやりと…考えながら…
杏寿郎は眠りに落ちて行った
不意に…目が醒めた
知らない部屋の知らない天井で
一瞬 ここどこだろうって考えて
旅行中だったんだと思い出した
しっかりとお互いの手の指を絡めて
手を繋いで眠ってたから
杏寿郎が寝る時に…手…繋いで寝たのかな…って
そんな事を考えながら自分の隣を見ると
穏やかな顔をして眠って居る杏寿郎の顔が見えて
あの頃の…私と杏寿郎には
こんな風に…当たり前に人が寝る時間に
ゆっくりと…リラックスして…眠るなんて事は
想像にも…出来なかった事だし…
あの頃の私は…彼に申し訳ない気持ちや
後ろめたさしか…無くて…
自分の身体を…見られる事も…怖くて嫌で
心の底から許し合って愛し合うって言うのは
程遠かった…よなって