第117章 2回目のハネムーンは… 後編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
俺がしばらく壁際のベンチで
書く為のスペース待ちをしていると
メッセージを書き終えた男性が
ここ空きますのでどうぞと
声を杏寿郎に掛けて来て
その男性に頭を下げながら
空いた場所を使わせて貰って
俺が…残したいメッセージを書き終えると
奥さんはまだ…真剣な表情をして
メッセージを書いていたので
何を…奥さんは…そんなに長文で
書くことがあるのかと思ってしまうが
俺に少し遅れて
みくりも書き終えたようで
俺の方に戻って来て
資料館を後にすると
元来た道を戻って行く
「杏寿郎、ちょっと待っててくれる?」
「いや、俺も行こう」
自分の手元に残していた
献花用の花をみくりが
献花台に備えに行くと言うので
「奥さんの方こそ、ちょっと
そこにでも座って待っててくれるか?」
こっちが待っててと言ったのに
何故か逆に杏寿郎が私に
待っていて欲しいと言われて
素直に指定されたベンチに座って
杏寿郎が戻って来るのを待つと
入口まで花を買いに戻っていた様で
それも…何故か…2つ…持って戻って来て
「すまないな、待たせたか?」
「いや、10分も待ってないよ。
ねぇ、杏寿郎、お花、2つなの?」
「ああ、こっちは俺ので、
こっちは…要の分。
きっと…、奥さんのお腹の中で。
奥さんが今感じてる気持ちを
彼も…感じてるかも知れないからな」
「そか…」
「ああ、そうだ」
そのまま献花台の前に移動して
一緒に献花をして鎮魂の祈りを捧げる
ひめゆりの塔を後にして
そこから車で10分の場所にある
平和記念公園を訪れた
広大な緑が鮮やかな公園は…
当時…多くの犠牲者を出した
激戦地域だったと言われても
信じられない位に静かで
穏やかな時間が流れていて
平和記念公園には
沖縄戦の写真や遺品などを展示している
平和祈念資料館や 沖縄戦で亡くなられた
すべての人々の氏名を刻んだ「平和の礎」
戦没者の鎮魂と
永遠の平和を祈る「平和祈念像」等が広大な
公園の敷地に配置されて居て
今は…地元の親子連れが
ピクニックを楽しむ様な…
整えられたカラフルな遊具が並んでいて
遊具で遊ぶ…
子供達の賑やかな声に満ちている
「……この地に眠る人々にとって、
これ位以上の…慰めは無いだろうな…。
なぁ、奥さん…、要を連れて
沖縄に旅行に来る時にの話なんだがな」